東京電力は25日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しについて、3月中に始める計画を断念すると発表した。使用するロボットアームの性能が不足し、準備作業も難航したため。工法を変え、10月の開始を目指す。延期は3回目。 ロボットアーム 溶け落ちた核燃料(デブリ)を遠隔操作で、先端に付けた金属ブラシなどを使い回収する。伸縮式で最大長さ約22メートル。国の補助事業の一環として、国際廃炉研究開発機構(IRID)や三菱重工業、英国企業が2017年4月から共同開発した。開発費を含めた原子炉の内部調査事業には、約78億円の国費が投じられている。
関西電力大飯原発の(右から)3号機、4号機=福井県おおい町で2020年10月20日、本社ヘリから木葉健二撮影 福井県や近畿地方の住民ら127人が、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について国の設置許可を取り消すよう求めた行政訴訟の判決で、大阪地裁は4日、許可を取り消した。森鍵一(もりかぎはじめ)裁判長は、原発が想定する地震の最大の揺れを示す「基準地震動」について、「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落があり、設置許可は違法」と述べた。2011年の東京電力福島第1原発事故後、国の設置許可を否定する司法判断は初めて。 【写真で見る】大飯原発の設置許可取り消し 国は関電などと協議し、控訴する方向で検討している。判決が確定しなければ許可取り消しの効力は発生しない。国による安全審査の妥当性が否定されたことで、他の原発にも影響を与える可能性がある。 耐震設計の目安となる「基準地震動
関西電力の岩根茂樹社長は27日午前、記者会見を開き、関西電力の原子力発電所がある福井県高浜町の元助役から会長や社長など経営幹部や社員、合わせて20人が金品を受け取り、その総額はおよそ3億2000万円にのぼることを明らかにしました。そのうえで岩根社長は「関係者や社会の皆様に多大な心配をおかけし、深くおわび申し上げます」と陳謝しました。 このなかで岩根社長は会長や社長などの経営幹部や社員、合わせて20人が、去年までの7年間にわたって3億2000万円相当にのぼる金品を受け取っていたことを明らかにしました。 金品を渡していたのは関西電力の原子力発電所がある福井県高浜町の森山栄治元助役でした。岩根社長は森山元助役について、「地元の有力者で、さまざまにお世話になっている。金品の返還を申し出たが、厳しい態度で拒まれた。関係悪化をおそれ、返せなかった」と述べるとともにこれらの金品は一時的に受け取ったものだ
九州電力の玄海原発3号機(佐賀県玄海町)の配管の蒸気漏れで、同社が約11年前に配管の厚さを調べ、支障なく使える「寿命」が約47年間と判断していたことがわかった。同種の点検は当面、実施しなくても問題ないとみて、その後配管の外装は外さず、そうした厚さの点検もせず、穴が開く兆候を見落とした。九電は今後、玄海4号機の配管も問題がないか調べる。 九電によると、穴が開いた配管は炭素鋼製で、1994年の運転開始当初から使われていた。屋外にあって周囲を保温材で覆われ、その外側から薄い金属の外装板で覆われている。九電は穴が開いた原因について、外装板の隙間からしみ込んだ雨水を保温材が吸って湿り、配管の腐食が進んだためとみている。 穴が開いた配管は、水から余計なガスを取り除く「脱気器」につながる。放射性物質を含んだ水や蒸気は通らない。九電は2006年度に実施した検査で配管の外装を外し、配管の厚さを確認した。その
経済産業省は11日、東京電力が福島第一原発事故の被害者に払っている賠償費について、新たに発生した費用の一部をより多くの国民に負担してもらう制度案を有識者会議に示した。大手電力に払う送電線使用料に上乗せする手法で、廃炉費についても同様の議論が進んでいる。年内に固め、来年の通常国会での法案提出をめざしている。 経産省はこれまで、福島事故をめぐる費用を総額11兆円(廃炉費など2兆円、賠償費など9兆円)と見積もり、うち賠償費に限ると5・4兆円と見込んでいた。お金は国が出資する「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が一時的に立て替え、東電を通じて被害者に支払われている。あとで東電と大手電力が、利用者から集めた電気代などから返す仕組みだ。 だが、経産省の内部資料によると福島事故の賠償費は約3兆円、廃炉費は約4兆円膨らみそうだ。このため、会議は新たな追加費用をだれにどう負担してもらうか議論をしてきた。 現在
鹿児島県知事選で脱原発を標榜する元テレビ朝日・政治担当キャスターの三反園訓氏が当選したことに、電力業界が大きな衝撃を受けている。鹿児島県内に川内原子力発電所を有する九州電力の株価終値は、知事選翌日の7月11日に前週末比7%安の919円まで下落した。 稼働中の原発では初めて、関西電力の高浜原発3号機が大津地裁の仮処分決定により3月に運転停止に追い込まれた。さらに今回、原発に厳しい姿勢で臨む知事が就任することにより、政府や電力会社の原発再稼働路線に新たなくさびが打ち込まれた。 政策合意文書で「廃炉」を明記 三反園氏は県知事選のマニフェスト(政権公約)で、「熊本地震の影響を考慮し、川内原発を停止して、施設の点検と避難計画の見直しを行う」と表明。立候補を見送った革新系の平良行雄氏との政策合意文書(6月17日付け)では、「両者は知事就任後、原発を廃炉にする方向で可能な限り早く原発に頼らない自然再生エ
原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分場を巡り、佐賀県玄海町の岸本英雄町長は、国が沿岸部の海底の地下も候補地の選択肢に含めるとした新しい方針を踏まえて、仮に国が玄海町を候補地として示した場合、町として受け入れるかどうか検討する考えを示しました。 海底の地下が候補地に含められたことについて、九州電力玄海原子力発電所が立地する佐賀県玄海町の岸本英雄町長は、NHKの取材に対し「選択の余地が増えるので、われわれの議論のなかではありがたいかなという気はします」と述べました。 また、岸本町長は「玄海町周辺の海域も可能性としてはゼロではないと思う。ただ、周辺にいっぱい影響を及ぼすことになる。ここに最終処分場を造るのはなかなか厳しい」と述べました。 そのうえで、仮に玄海町を中心とした地域が国から候補地として選定された場合の対応については、「現実に原発が立地している自治体として、核のご
東京電力福島第一原子力発電所の事故で放射性物質の大量放出が起きたとされる2号機について、名古屋大学などが素粒子を使って原子炉を透視した結果、核燃料の70%から100%が溶け落ちている可能性が高いことが分かりました。国と東京電力は廃炉に向けてさらに調査を進めることにしています。 これに対し、名古屋大学などの研究グループは去年4月以降、さまざまな物質を通り抜ける性質がある「ミューオン」と呼ばれる素粒子を使って2号機の原子炉を透視する調査を行いました。その結果を解析したところ、原子炉の中心部に核燃料が残っていれば赤や黄色で示されるはずが、ほとんど反応が見られませんでした。 比較のために調査した5号機では中心部の核燃料がはっきりと映っていて、研究グループは、2号機の核燃料の70%から100%が溶け落ちた可能性が高いとしています。 一方、原子炉の底にも核燃料の姿は明確には写っていませんが、この部分は
九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の廃炉が18日、正式に決まった。九電は、再稼働しても安全対策にかかる投資費用を回収できないと説明するが、決断の背景には東日本大震災後に変容した原発政策や政府の思惑も横たわる。「できれば再稼働したかった」−。九電はそんな本音を押し殺し、残る原発の再稼働に全力を傾ける。 18日夜、佐賀市の九電佐賀支社で開かれた瓜生道明社長の記者会見。「『彼』は、九州で初めて原子力の火をともした大きな功績がある。こういう結果になったのはしのびない」。瓜生社長は「彼」との呼称に玄海1号機への愛着を込め、厳しい表情を浮かべた。 原発は、燃料費が火力など他の電源より格段に安い。玄海1号機は出力が比較的小さいとはいえ、再稼働すれば年600億円規模で収支を押し上げる。電力市場は大手電力による地域独占が続いてきたが、来年4月の全面自由化で競争が本格化する可能性がある。玄海1号機が九
東京電力は21日、福島第一原発の地下水くみ上げ用井戸の一つで、藻のような生物が繁殖し、くみ上げの邪魔をしている可能性が高い、と発表した。すでにくみ上げを停止し、今後、生物の分析や設備の清掃などを行うという。 東電は、地下水が原子炉建屋などに流れ込んで汚染水を増やすのを抑えるため、原子炉建屋の山側の井戸で地下水をくみ上げ、地下水バイパスと呼ばれる設備で海に放出している。 生物が繁殖しているのは12本の井戸のうち、ナンバー11と呼ばれる井戸。9月中旬ごろから、くみ上げポンプ内の水の流れが悪くなっていたという。 くみ上げた水を調べると粘りけ… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料
東京電力福島第一原発所長で事故対応の責任者だった吉田昌郎(まさお)氏(2013年死去)が、政府事故調査・検証委員会の調べに答えた「聴取結果書」(吉田調書)を朝日新聞は入手した。それによると、東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた。その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた。■所員9割、震災4日後に福島第二へ 吉田調書や東電の内部資料によると、15日午前6時15分ごろ、吉田氏が指揮をとる第一原発免震重要棟2階の緊急時対策室に重大な報告が届いた。2号機方向から衝撃音がし、原子炉圧力抑制室の圧力がゼロになったというものだ。2号機の格納容器が破壊され、所員約720人が大量被曝(ひばく)するかもしれないという危
[東京 18日 ロイター] -脱原発路線を強力に主張する異色の地域金融機関トップとして知られる城南信用金庫(本店・品川)の吉原毅理事長が、ロイターのインタビューに応じ、原発コストが安いというのは将来負担を無視した国家ぐるみの粉飾決算に近いとの見解を示した。
女性の白バイ隊員の先導は15年ぶり ひろしま男子駅伝 「全国に中継、この仕事に興味持ってほしい」 天皇杯第29回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会
日本のすべての原発が運転を停止したことなどで、原発の燃料になる濃縮ウランの販売価格が低迷していることを受けて、濃縮ウランを生産しているアメリカの会社が経営に行き詰まり、日本の民事再生法に当たる連邦破産法の適用を申請しました。 この会社は、アメリカ東部・メリーランド州に本社があり、原発向けの濃縮ウランを生産している企業、ユーゼックで、5日、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を裁判所に申請しました。 会社の発表によりますと、東京電力福島第一原発の事故のあと、日本やドイツで多くの原発が運転を停止したことなどから燃料の濃縮ウランが供給過剰となって価格が大幅に下落したことなどが影響し、経営に行き詰まったということです。 ユーゼックは、大手電機メーカーの東芝が、燃料の供給から発電所の建設まで原子力事業の一貫体制を構築するため、2010年におよそ100億円を出資する計画を発表し、これまでに3
10月16日に発表された会計検査院の報告書に記載されたある事実。それを知ったら、どんな人でも、驚き、憤り、そして、悲しくなるだろう。 東電は、汚染水処理に加え、損害賠償、除染、廃炉などのために、今後、数十兆円の資金が必要になる。それを通常の事業活動で捻出することは不可能だ。普通の企業なら破綻なのだが、破綻すると東電に巨額融資をしている銀行が困る。銀行と癒着している自民党や経産省などは破綻回避のため、様々な理由を見つけては税金投入と電力料金値上げで消費者につけ回ししようと必死だ。 「政府が前面に出る」として、汚染水対策に税金投入するのもそのため。破綻処理をして銀行の債権をカットすれば数兆円の借金返済が免除される。その分、投入する税金や電力料金値上げも大幅に縮小できるのだが、安倍総理は明確に破綻処理を否定した。 その理由の一つが、被災者への賠償が行えなくなるということだ。確かに、被災者の損害賠
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