▼依頼と約束のこと 僕は電話が苦手だ。編集者としても、ルポライターとしても致命的なことだけど、本当だから仕方がない。元来があがり症のうえ、子供の頃は吃音気味であったので、余計なことでビクビクしている。よく知り合いから「お前と電話で話していると、イラッとくる」とか「小物感があるよな」などと言われるのは、そのあたりに起因するのかもしれない。 苦手だからといって仕事であるので避けられない電話。インタビューのスタートである依頼状を送ったあとは、この電話が控えているのだ。 依頼状は、ハガキや封書で送るのが一般的だろう。最近だとメールが多いように思う。依頼状には基本、以下のことさえ書かれていればいい。 ① 企画の趣旨 ② 話す内容と時間 ③ 出版など発表の媒体と発表になる日どり ④ ギャランティ ⑤ 〆切日 ふつう、依頼者が無機質に書くことはないと思う。相手への思いを前段階で書いておきたいのが人情だろ