職員厚遇の批判を受けて一時は廃止が決まった大阪市港湾局の職員公舎(同市港区)を「残してほしい」という声が、東日本大震災の後、地元で高まっている。 大阪湾の海岸から200メートルにある、鉄筋コンクリート8階建て(56戸)、高さ約31メートルのビル。1996年に13億1000万円かけて整備された。津波警報や注意報などが発令された際には、ここに入居している23人(3月現在)と、他の臨海部居住の職員の計112人が地元の水防団などと連携し、360基ある防潮扉を閉鎖する。また、公舎は津波避難ビルにも指定されている。 しかし、約70平方メートルの家賃が月2万5050円と安く、職員厚遇の批判を受けて昨年3月、2013年度末の廃止・売却方針が決まった。 これを受け、公舎近くの住民でつくる「津波高潮対策築港の会」は今年2月、「初動が遅れれば取り返しがつかない。周囲に高台がなく、売却されれば避難場所も失う」とし