2006-11-14 - 郊外都市の24時間■萌えに萌えない 怒号が響く。萌えを殺せと誰かが叫ぶ。黒いマスクで顔を隠して屈強な肉体を惜しげもなく晒す男たち。その踏み鳴らす億の象の大行進が如き地響きが日本全土に響き渡りあるものは最高のビートにラップを重ね、あるものはブラストビートに限界を感じスティックを折り、あるものは地響きオナニーを発案し、またあるものは困惑の底で躊躇していた。 「助けてください、殺されてしまう」 萌えを自称する男はそう言って彼女に泣きついた。 「萌えを自称するひとは、嫌いです」 モヒカンバギーに乗り込んで秋葉原全土を焦土と化した萌え殺しを自称するその一団は全てかつてオタクと呼ばれた人々である。誰が言い始めたのか、彼らの主張は概ねこうだ。萌えのような不定型な概念に人生を歪曲された我々は被害者である。もはや精液も枯れ果てた。かくなる上は萌えを滅ぼし、次なる世代に身を捧げんと。 はじめに襲われたのはメイド喫茶であった。メ
