内藤瑛亮監督の最新作『許された子どもたち』。少年法では裁くことのできない、子どもたちの心の闇に迫っている。 緊急事態宣言明けの映画界を震撼させる問題作が公開される。内藤瑛亮監督の『許された子どもたち』だ。愛知県で起きた実在の事件を題材にした『先生を流産させる会』(11)で衝撃的なデビューを果たした内藤監督が、山形マット死事件、大津市中2いじめ自殺事件、川崎市中1男子生徒殺害事件、東松山都幾川河川敷少年殺害事件などの少年犯罪から着想を得て撮り上げている。外部の人間には分かりづらい、加害者側の少年やその家族の心情に生々しく迫った内容だ。 主人公となるのは、絆星(きら)という「キラキラネーム」を持つ中学2年生の男子。絆星(上村侑)は小学生の頃はいじめられっ子だったが、中学に入ってからいじめる側となった。いじめの標的となっているのは、内向的な性格の樹(阿部匠晟)。絆星たちいじめっ子グループは樹に割