東京電力福島第1原発事故で、野田佳彦首相が原子炉の「冷温停止状態」を達成したとして“事故収束”を宣言してから、16日で丸1年になる。30〜40年かかる廃炉作業には1日約3千人の作業員が従事している。ただ、高い放射線量の影響で炉内の正確な把握はいまだ困難な状況で、冷温停止を維持するために増える汚染水との闘いも続いている。(原子力取材班) 【表で見る】 最近の福島第1原発の動き ◆タンクびっしり 事故直後に温度計上限の400度を超えた原子炉の温度は現在、約25〜40度にまで下がった。その冷温停止状態を支えているのが「循環注水冷却システム」だ。炉内に水を注入し、使用した水は放射性物質を取り除いた後、再び冷却水として利用する。 毎時17トンの水を注入するが、原子炉が損傷しているため、1日約400トンの水が原子炉建屋地下に流出、これに地下水も流入し汚染水はたまる一方だ。こうした水は敷地内のタ