時計の針は17時10分 タイムカードを切って役職者のデスクの前を 上司と目線を合わせないように俯いてサーッと通り過ぎる。 目が合えば嫌味の一つや二つ言われるに違いない、やれ今日は早いじゃないか。何か予定はあるのか 笑? うるさい 黙れ、 こっちは仕事してやってんだ 残業で稼がないといけないほど、お金に困っちゃねーんだよ ボケ こちとら独身貴族、お前はせいぜい家族のために頑張りな適材適所だばーか と思いながら私は逃げるように会社を後にする。 ずーっと退屈だ、大体のことに興味が持てないし 今更何かを始める体力も気力もない。 冷めた日常を押し流すように 強めのアルコールを喉に流し込めば 帰って寝るまでの数時間は気がまぎれる そしてまた 現実を突きつけられる日々 仕事の最中に見せた 年の離れた 後輩の冷ややかな目 を思い出すと憂鬱になる。 鳴り響く 換気扇の音 機械のモーターが唸りをあげる 昼休み