「現代形而上学」という分野がある。ゼロ年代半ばには『現代形而上学論文集』(柏端達也・青山卓央・谷川卓編訳、勁草書房、2006年)なども公刊されなかなか盛り上がっていた。最近はやや下火になっているので、薪をくべてみたいと思う。 本ノートは《形而上学はどのような意味で重要か》の私なりの説明を提示する。私は本ノートの議論が形而上学の魅力の唯一の説明だとは考えないが、いずれにせよ以下の文章は形而上学への関心の喚起へ少なくとも部分的に貢献しうるものだと思われる。 以下で掲載する文章は、私が2014年4月に書き facebook 上で仲間に向けてあげていたものである。それはーーこう書くと言い訳がましいがーー現在の私にとって多かれ少なかれ誰か他の若者が書いたようなところも含む。すなわち、現在の自分であれば別様に表現するだろう箇所がいくつかある、ということだ。とはいえ私は当時と大きく立場を変えたわけではな