オリンピック特需もあり、ここ数年、都市部を中心に大規模な再開発が続いてきました。一方で、歴史的に重要な建物が保存されないという問題も発生しています。日本はすでに成熟国家なはずですから、古いビルをあえて残すことで、これを経済的利益につなげられるはずですが、なぜ、うまくいかないのでしょうか。 兵庫県尼崎市内にある洋風建築「ユニチカ記念館」が解体の方向で検討が進められていることが明らかとなりました。ユニチカ記念館は、同社の前身である尼崎紡績の本社として1900年(明治33年)に建てられたもので、国の近代化産業遺産にも選定されています。 建物を所有しているユニチカは、当初、リニューアルを計画していましたが、耐震工事に4~5億円の費用がかかることが分かりました。市民からは存続を求める声が上がっていますが、尼崎市も財政難から資金を捻出できず、このままでは解体されてしまう可能性が高いとのことです。 東京