▶︎『もののけ姫』画像を全て見る 『もののけ姫』ほど、どういう映画であるかを“一言で表すことが難しい”作品もなかなかないのではないでしょうか。 劇中には莫大な量の情報が詰め込まれ、何度も観ても新しい発見がある一方で(だからこそ)、「結末がスッキリしない」「モヤモヤしてしまう」という意見もよく耳にします。 その理由をごくごく端的に挙げるのであれば、“善と悪を明確に線引きした勧善懲悪の物語ではない”、“登場人物それぞれが複雑な事情を抱えている”、“人間の自然への向き合い方を一方的なエコロジーの観点に留めない”、そして“争いや問題は簡単に解決できない”という訴えがあることでしょうか。詳しくは後述しますが、それぞれの事象を総じて“単純化しない”ということと、キャッチコピーにある「生きろ。」というシンプルなメッセージこそが、『もののけ姫』を読み解く指針になるはずです。 事実、宮崎駿監督も『もののけ姫