宮城県石巻市で、複数のタクシードライバーが霊と遭遇したという事例は、社会学を学ぶ大学院生の調査としても話題になった。 石巻駅で乗せた30代の女性は、初夏であるにもかかわらずファーのついたコートを着ていた。目的地を聞くと、大津波で更地になった集落だった。 「コートは厚くないか?」とたずねたところ、「私は死んだのですか」と答えるのでミラーを見ると、後部座席にはだれも坐っていなかった……。 夏の深夜、小学生くらいの女の子がコート、帽子、マフラー、ブーツなどの厚着をして立っていた。「お母さんとお父さんは?」とたずねると「ひとりぼっち」と答えた。 女の子の家があるという場所の近くまで乗せていくと、感謝をあらわし降りたと思ったら、その瞬間に姿を消した……。 私自身、被災地になんども足を運んでいるが、霊体験を聞いたことはない。またなにかしらの怪異な出来事に遭遇した経験もない。 しかし被災者や、被災地にゆ