人間は太古の昔から、自分たちの暮らしや気持ちを記録してきた。それは洞窟に残した手形や動物の姿だったり、石や紙にしるした絵や文字だったりした。その多くに太陽や月や星が登場し、明るさや動きについて書き留められているのは、それだけ宇宙が身近で関心が高かったのだろう。現代でも私たちは、空を見上げてつぶやいたり写真を発信したりする。 『ワンルームから宇宙をのぞく』はJAXA宇宙科学研究所研究員の著者が“日常の中の宇宙”や“宇宙の中の日常”について綴った宇宙工学エッセイ「フィボナッチ、鹿児島の夏」「ノンホロノミック、空を飛ぶ夢」など見出しから理系的表現がいっぱいで、新感覚でありながら天文好きとして共感するところも。東大発オンラインメディア『UmeeT』とWebマガジン『OHTABOOKSTAND』に連載した作品を一冊にまとめたもの。 一方、『天文学者は星を観ない』は韓国天文研究院で月探査プロジェクトに