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ブックマーク / www.nikkei-science.com (19)

  • 2023年ノーベル物理学賞:物質中の電子の動きを解析する「アト秒の科学」を切り開いた3氏に

    2023年のノーベル物理学賞は「物質中の電子ダイナミクスを研究するためのアト秒パルス光の生成に関する実験的手法」に対して,米オハイオ州立大学のピエール・アゴスティーニ(Pierre Agostini)名誉教授,マックス・プランク量子光学研究所のフェレンツ・クラウス(Ferenc Krausz)教授,スウェーデン・ルンド大学のアンヌ・ルイリエ(Anne L’Huillier)教授の3氏に授与される。 電子は文字通り目にもとまらぬスピードで物質中を移動する。その動きを撮影するカメラがあれば,様々な物理現象の解明や材料開発に役立つ。しかしそのためには,ごく短い時間だけ光る「フラッシュ」が必要だ。フラッシュが光る時間が長いと,その間に電子が動き回ってブレてしまう。 まず,1980年代の後半に原子のレベルで化学反応を捉える手法が登場した。フェムト(10-15,つまり1000兆分の1)秒だけ光るレーザ

    2023年ノーベル物理学賞:物質中の電子の動きを解析する「アト秒の科学」を切り開いた3氏に
  • 2023年ノーベル生理学・医学賞:COVID-19に対するmRNAワクチンの開発を可能にした2氏に

    2023年のノーベル生理学・医学賞は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する効果的なmRNAワクチンの開発を可能にしたヌクレオシド塩基修飾の発見に対して,米ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ(Katalin Karikó)非常勤教授と同大のドリュー・ワイスマン(Drew Weissman)教授に授与される。 mRNAワクチンはCOVID-19ではじめて実用化したワクチンだ。その構造は簡単で,脂質膜でできた100nmほどのカプセルの内側に人工的に合成された紐状のmRNAが閉じ込められている。COVID-19向けのワクチンの場合,mRNAにはウイルスの表面に突き出した突起部(スパイク)の設計情報が記載されている。 これまでのワクチンには,弱毒化生ワクチンや不活化全粒子ワクチンといった病原体をまるごと含むワクチンや,病原体の一部のタンパク質だけを培養細胞の中で合成した組み換えタン

    2023年ノーベル生理学・医学賞:COVID-19に対するmRNAワクチンの開発を可能にした2氏に
  • 特集:進化する植物愛

    誰も見たことがない植物の姿を求めて,植物学者は世界中どこへでもフィールドワークに出掛ける。その原動力となるのは昔も今も,ただならぬ植物への愛情と学問への情熱だ。現在放映中の朝ドラ『らんまん』では,実在の植物学者・牧野富太郎をモデルにした主人公が日の植物学の発展に携わる。ドラマが描く明治期日の植物学者たちの生きざまから,国内外で活躍している現代の研究者が伝える植物学研究のリアル,そして最先端の研究成果に至るまで,植物学の魅力を豊富な写真と共にお届けする。 植物監修田中伸幸に聞く 『らんまん』で知る植物学今昔 出村政彬 協力:田中伸幸 ハーバリウムに生きる100年後の牧野標 出村政彬 協力:村上哲明 植物学の空白地帯 ミャンマーを行く 出村政彬 協力:田中伸幸 新種誕生の現場  遠藤智之 協力:清水健太郎 葉の形はどう決まるのか  遠藤智之 協力:塚谷裕一 光合成はもうやめた 末次健司が

    特集:進化する植物愛
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/05/22
    日経サイエンス7月号は「らんまん」牧野博士と植物学特集。これは読む。
  • 『ヴィンランド・サガ』の歴史学  ヴァイキングの知られざる顔

    角のついた兜を被り,手斧を握って,帆走する海賊船でヨーロッパ各地の街や教会を荒らし回る北欧出身の蛮族集団。わたしたち日人にとってのヴァイキングのイメージは,このようなものではないだろうか。確かに,日でも親しまれたルーネル・ヨンソン原作のアニメ『小さなバイキングビッケ』(1974〜1975年放映)やカーク・ダグラス主演の映画『ヴァイキング』(1958年公開)で描かれるヴァイキングは,海賊イメージそのものである。 しかし,略奪に見舞われた側が残した記録に基づく海賊のイメージは,間違いではないが,ヴァイキングの一面を捉えているにすぎない。近年の歴史研究によれば,ヴァイキングは,故郷のスカンディナヴィアから海を越えて,東は現在のロシア,トルコ,さらには中央アジアに至るまで,西はスコットランドやアイスランドを越えて北米大陸に至るまでの広大な範囲に定住そして交易ネットワークを築いていたことが強く主

    『ヴィンランド・サガ』の歴史学  ヴァイキングの知られざる顔
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/01/23
    アニメ「ヴィンランド・サガ」の歴史考証の先生による記事。ヴィンサガ他新しいヴァイキング像の映像作品も増えた。日経サイエンス3月号、読んでみようかな
  • 2020年ノーベル物理学賞:ブラックホール 理論と観測の3氏に

    2020年のノーベル物理学賞はブラックホールがこの宇宙に実在することを理論と観測で示した理論物理と天文分野の研究者に贈られる。一般相対性理論の研究からブラックホールが現実の宇宙で必然的に生じうることを1960年代に示した英オックスフォード大学のペンローズ(Roger Penrose)名誉教授と,天の川銀河の中心を周回する天体を1990年代初めから長期的に観測して巨大ブラックホールが存在することを明らかにした独マックス・プランク地球外物理学研究所のゲンツェル(Reinhard Genzel)教授とカリフォルニア大学ロサンゼルス校のゲズ(Andrea Ghez)教授の3人。賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)の半分がペンローズ氏に,残り半分がゲンツェル,ゲズ両氏にそれぞれ贈られる。 星がつぶれてだんだん小さくなり,ブラックホールになる過程を図に示す。最初は星の表面から出た光

    2020年ノーベル物理学賞:ブラックホール 理論と観測の3氏に
  • 特集:『三体』の科学

    異星文明とのファーストコンタクトを扱った『三体』はSF歴史に新たなページを加える作品だ。著者は中国の作家,劉慈欣(りゅう・じきん,リウ・ツーシン)。SF雑誌「科幻世界」に連載された後,2008年から3部作として刊行,中国国内ではシリーズ合計で2100万部以上に達するベストセラーになった。著者のエッセイによると,来の主要読者層(高校生から大学生)ではないIT(情報技術起業家や科学者,エンジニアも注目し,理論物理学者による解説書も出版されているという(『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(早川書房)に収載された「ありとあらゆる可能性の中で最悪の宇宙と最良の地球:三体と中国SF」より)。 2014年刊行の英語版はSF界最高のヒューゴー賞を英語圏以外の長編翻訳書として初めて受賞。オバマ大統領(当時)やフェイスブック創業者のザッカーバーグらが愛読していることで評判を呼び,シリーズ合計で

    特集:『三体』の科学
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2020/01/22
    劉慈欣(りゅう・じきん,リウ・ツーシン)著「三体」異星文明とのファーストコンタクトを扱ったベストセラー小説を、日経サイエンスが特集。小説は未読だが、この特集にネタバレはあるのかな…?
  • 2019年ノーベル化学賞:リチウムイオン電池の開発で吉野彰氏ら3氏に

    2019年のノーベル化学賞は,繰り返し充電できるリチウムイオン電池を開発し,モバイル時代を開いた旭化成の吉野彰名誉フェロー,米テキサス大学のグッドイナフ(John B. Goodenough)教授,米ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のウィッティンガム(Stanley Whittingham)卓越教授に授与される。 リチウムイオン電池の開発史は,1970年代に遡る。石油危機が叫ばれ,産油国が原油の価格を大幅に引き上げていた時代で,米の石油会社エクソンは石油に代わるエネルギーの研究を始めていた。そのころエクソンに入社したウィッティンガム氏は,分子の層間に原子が入り込む「インターカレーション」という現象を実証。二硫化タンタルという物質に様々なイオンを入れて電気特性を調べていたところ,カリウムイオンが入り込むと電位が非常に高くなることに気づいた。 電池は正極と負極の電位差が大きいほど,得られる電

    2019年ノーベル化学賞:リチウムイオン電池の開発で吉野彰氏ら3氏に
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2019/10/10
    リチウムイオン電池の開発の経緯。身近にあるのに知らなかった。ウィッティンガム氏が開発、グッドイナフ氏が改良、吉野さんがさらに改良。
  • 2019年ノーベル物理学賞:私たちの宇宙観に大転換をもたらした米欧の3氏に

    2019年のノーベル物理学賞は私たちの宇宙観に大きな転換をもたらした宇宙分野の研究者に授与される。現在のビッグバン宇宙論の基礎を1960年代半ばに築いた米プリンストン大学のピーブルス(James Peebles)名誉教授と,太陽以外の恒星の周りを回る太陽系外惑星(系外惑星)を1995年に初めて発見したスイス・ジュネーブ大学のマイヨール(Michel Mayor)名誉教授,ケロー(Didier Queloz)教授(英ケンブリッジ大学教授を兼務)の3氏。賞金900万スウェーデンクローナ(約9800万円)の半分がピーブルス博士に,残り半分がマイヨール,ケロー両博士にそれぞれ贈られる。 時空を総覧する  約138億年前に宇宙,つまり私たちが存在している時空が誕生してから起きた主 な出来事を示すイメージ図。インフレーションによって空間が急膨張したように描かれているが,今から 数十億年前からも宇宙は加

    2019年ノーベル物理学賞:私たちの宇宙観に大転換をもたらした米欧の3氏に
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2019/10/09
    系外惑星と物理学的宇宙論、どちらも今の天文学にはなくてはならない理論と発見
  • 2018年ノーベル生理学・医学賞:がんを攻撃をする免疫のブレーキを外す新たな治療法を発見した本庶佑氏らに | 日経サイエンス

    2018年10月2日 2018年ノーベル生理学・医学賞:がんを攻撃をする免疫のブレーキを外す新たな治療法を発見した庶佑氏らに がんの治療は,長らく「手術,放射線照射,化学療法」の3柱と言われてきた。2018年ノーベル生理学・医学賞は,4目の柱である「免疫療法」を打ち立てた,京都大学特別教授の庶佑氏と米テキサス大のアリソン(James P. Allison)教授に贈られる。 庶氏とアリソン氏は,がんを攻撃する体の免疫系にブレーキをかける仕組みをつきとめ,そのブレーキを解除する「免疫チェックポイント阻害剤」を発見した。それまで打つ手立てがなかった進行したメラノーマなどに対する治療の選択肢となり,がん治療の新たな可能性を開いた。 両者の研究はまったく異なる動機から,独立に始まった。先にカギとなる物質を発見したのは庶氏らのグループだ。1992年,石田靖雅氏(現奈良先端科学技術大学院大学

    2018年ノーベル生理学・医学賞:がんを攻撃をする免疫のブレーキを外す新たな治療法を発見した本庶佑氏らに | 日経サイエンス
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2018/10/02
    「PD-1」は、Programemed Cell Death(細胞のプログラム死)から名づけられた。
  • 2017年ノーベル物理学賞:超大型干渉計「LIGO」を構築,宇宙から来る重力波を初めて観測した3氏に

    2017年10月4日 2017年ノーベル物理学賞:超大型干渉計「LIGO」を構築,宇宙から来る重力波を初めて観測した3氏に 2017年のノーベル物理学賞は,超大型レーザー干渉計「LIGO」を構築し,宇宙から来る重力波の初の観測に成功した米マサチューセッツ工科大学(MIT)のワイス(Rainer Weiss)博士,カリフォルニア工科大学のソーン(Kip S. Thorne)博士,バリッシュ(Barry C. Barish)博士の3氏に授与されることになりました。 人類は長きにわたって,星々が放つ光を観測してきました。ガリレオは望遠鏡で惑星を見て地動説を見いだし,近年では宇宙の最深部から来るマイクロ波やブラックホールが出すX線を観測する探査機が活躍して宇宙の進化を探っています。これらはすべて波長が異なる電磁波で,いわば光の仲間です。ですが星々にはもう1つの重要な要素があります。質量です。 時空

    2017年ノーベル物理学賞:超大型干渉計「LIGO」を構築,宇宙から来る重力波を初めて観測した3氏に
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2017/10/04
    LIGOの仕組みも詳しく解説。重力波で伸び縮みした空間は最大でも10の−21乗。重力波を検出できたこともすごいし、それがノーベル賞を受賞したことも嬉しい
  • 2016年ノーベル生理学・医学賞:「オートファジーのメカニズムの発見」で東京工業大学の大隅良典教授に

    2016年10月3日 2016年ノーベル生理学・医学賞:「オートファジーのメカニズムの発見」で東京工業大学の大隅良典教授に 2016年ノーベル生理学・医学賞は「オートファジーのメカニズムの発見」で東京工業大学栄誉教授の大隅良典(おおすみ・よしのり,71歳)氏に贈られる。 オートファジーとはギリシャ語由来で「自分をべる」という意味で,細胞が不要になった構成要素を自分で分解して再利用する仕組みのこと。例えば栄養不足状態に陥ると,細胞内部に脂質の膜でできた小さな袋が現れ,使わなくなったタンパク質や不要不急の細胞小器官をそこに呑み込んで,生きていくのに必要なアミノ酸などに分解して再利用する。この現象自体は1950年代から報告されていたが,具体的なメカニズムは謎のままだった。大隅氏は1980年代後半から酵母を使った研究を進め,1990年代初めにオートファジーに必要な遺伝子群を初めて明らかにして,オ

    2016年ノーベル生理学・医学賞:「オートファジーのメカニズムの発見」で東京工業大学の大隅良典教授に
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2016/10/03
    オートファジーとはギリシャ語由来で「自分を食べる」という意味。細胞が不要になった構成要素を自分で分解して再利用する仕組みのこと。大隈先生はオートファジーに必要な遺伝子群を初めて明らかにした
  • 病的な好奇心〜日経サイエンス2016年9月号より

    知りたいという欲求は想像以上に強力 なぜ人は,昔の恋人のいまの交際相手を知りたがり,自分に対するネット上の批判的コメントを読みたがるのか? 心が傷つくに決まっているのに。Psychological Science誌に掲載された最近の研究によると,人間には不確実性を解決したいという心理的欲求が生まれつき備わっているからだ。この欲求は非常に強いので,知ったら自分が傷つくとわかっていても,好奇心を満足させようとする。 いやでも知りたいその秘密 シカゴ大学ビジネススクールとウィスコンシン大学ビジネススクールの行動科学者チームは学生たちを被験者に一連の実験を行い,好奇心を満たすために嫌悪刺激に自ら進んで身をさらす傾向を調べた。まず,山積みにしたシャープペンシルを各被験者に見せ,前の実験で使ったペンだと説明した。シャープペンシルの半分は,芯を出すためにノックすると電気ショックが発生する仕掛けになってい

    病的な好奇心〜日経サイエンス2016年9月号より
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2016/08/05
    知ったら傷つくとわかっていることを知りたいと思う…不確実性を解決したいという心理的欲求が生まれつき備わっているから。好奇心が自己破壊的な行為をあおる場合がある…勿論抑える、避けることは可能
  • 2014年ノーベル物理学賞:白色光源をもたらした高効率青色LEDの実現で3氏に

    身の回りにあった電球が,LEDに置き換わりつつある。白熱球に比べて発光効率が高く,熱くならず,低消費電力で,長寿命だ。スマートフォンなど携帯情報端末のバックライトにも,しばしば白色LEDが使われている。 こんな風にLEDを広範に利用することを可能にしたのが,青い光を発する青色LEDだ。青色LEDの光を蛍光体に当てたり,赤色,緑色のLEDの光と混ぜたりすると,白色光が作れる。 今年のノーベル物理学賞は,高効率な青色LEDを実現した名城大学の赤崎勇教授・名古屋大学の天野浩教授の共同研究チーム(当時はともに名古屋大)と,米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授(当時は日亜化学工業)に授与される。 赤崎氏は1974年,当時所属していた松下電器産業で,物理的な特性から窒化ガリウムが青色LEDの材料として有望と見て研究を始めた。発光素子にするためには,均一な単結晶を作り,半導体にする必要があ

    2014年ノーベル物理学賞:白色光源をもたらした高効率青色LEDの実現で3氏に
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2014/10/08
    青色LED解説
  • 2014年ノーベル生理学・医学賞:空間を把握する脳のメカニズムを解明した3氏に

    私たちが行動しようと思ったら,自分がどこにいるかを把握している必要がある。その情報を,脳はどのように得ているのだろう? 脳活動というのはつまるところ,脳神経細胞の集団的な発火だ。その信号から「空間内での自分の位置」という情報を得るのに,脳はどんな仕組みを備えているのか。 今年のノーベル生理学・医学賞は,そうした動物の空間把握のメカニズム研究の先駆けとなった英ロンドン大学ユニバーシティーカレッジのオキーフ(John M. O’Keefe)博士と,近年,この研究を一気に発展させて注目を集めたノルウェー科学技術大学のモーザー博士夫(May-Britt Moser,Edvard I. Moser)に授与されることが決まった。 オキーフ博士は1971年,ラットが部屋の中を歩き回っているとき,「右の隅」「左寄りの中央」など,ある特定の場所に来た時に発火する細胞を,海馬の中から発見した(右図)。ラット

    2014年ノーベル生理学・医学賞:空間を把握する脳のメカニズムを解明した3氏に
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2014/10/07
    詳しい解説。「空間の記憶と時間や体験などの記憶がどう統合されていくかを解明するのが,今後の課題になる」
  • デジタルより紙がわかりやすい理由

    iPadやキンドルなどの電子書籍リーダーを使う人が増えている。読書体験はどう変わっていくのか? 過去20年間の研究によると,画面で読むよりも紙のほうが理解しやすく記憶に残る場合が多い。画面だと全文における現在位置を直覚的に把握しにくいのが一因らしい。また,デジタル世代の子供たちも,紙で読んだほうが物語の筋が記憶に残るという研究結果が出ている。デジタル機器は以前に比べると見やすくなったし,紙のにはない検索機能もある。だが,読み慣れたならキーワードを入力するまでもなく,その文章がどこにあったかおよそ見当がつき,パラパラめくって簡単に探せる。紙の最大の強みは,その「単純さ」にあるようだ。 再録:別冊日経サイエンス207「心を探る 記憶と知覚の脳科学」 原題名Why the Brain Prefers Paper(SCIENTIFIC AMERICAN November 2013) サイト内の

    デジタルより紙がわかりやすい理由
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2014/02/21
    デジタル世代の子どもたちでも、画面で読むより紙で読むほうが記憶に残りやすい、という研究。「紙の最大の強みは,その「単純さ」にあるようだ。」確かに。
  • 失明治療で見えてきたこと

    網膜に映っているのは,様々な色や明るさをした雑多なパターンだ。これがどのようにして意味のあるまとまりとして統合され,例えばコーヒーカップや人の顔として認識されるのか? 神経科学でも最も難しい疑問の1つだ。脳は見ることをどのように学習するのか,また幼いころにそうした学習経験をしないと視覚が発達しないままになるのか? インド出身の神経科学者である著者は,白内障などで視力を失った母国の子供たちを治療するプロジェクトを通じて,この謎に迫った。開眼手術直後には目にしたものをうまく解釈できなくても,脳が「見方」を学習してきちんと見えるようになる。視覚と別の感覚を結びつける能力も身に付くようだ。 再録:別冊日経サイエンス255『新版 意識と感覚の脳科学』 著者Pawan Sinha マサチューセッツ工科大学の視覚と計算神経科学の教授で,脳が物体や景色を認識するメカニズムや原理について研究している。 原題

    失明治療で見えてきたこと
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2014/02/19
    「脳は見ることをどのように学習するのか,また幼いころにそうした学習経験をしないと視覚が発達しないままになるのか?」手術後脳が見方を学習して見えるようになる。視覚と別の感覚を結びつける。
  • 「はやぶさ2」姿現す〜日経サイエンス2013年3月号より

    探査機「はやぶさ」の後継機は,より始原的な小惑星を訪れ 表層のほか内部のサンプルも採取,複数の小型探査ロボットを着陸させる 小惑星の塵を地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」。その後継として開発中の「はやぶさ2」の機体が12月26日,宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスで公開され,固まりつつあるプロジェクトの詳細も報告された。順調に進めば機体完成は2014年夏の予定だ。同年12月にH2Aロケットで打ち上げ,18年6月に目標の小惑星に到達する。 公開されたのは機体体と太陽電池パドルなど。それらを組み上げ,打ち上げ時に探査機が受ける振動を模擬した試験が行われていた。サイズは「はやぶさ」とほぼ同じだが,高さが15cmほど高く,打ち上げ時の重量は約90kg重くなって約600kgになる。5月にはその他の機器も機体に組み込んだ試験が始まるという。 「はやぶさ2」は2006年に検討が始まり,1

    「はやぶさ2」姿現す〜日経サイエンス2013年3月号より
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2013/01/26
    日経サイエンス3月号に「はやぶさ2」に関する記事が。
  • ヒッグスらしき新粒子を LHC の実験で発見

    万物に質量を与える素粒子,ヒッグス粒子とみられる新粒子が発見されました。スイス・ジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究機構(CERN)にある大型ハドロン衝突型加速器LHCを用いて陽子衝突実験に取り組む2つの国際共同研究グループ,ATLASとCMSが7月4日に発表しました。ヒッグス粒子は,現在の素粒子物理学の基的な枠組みである「標準モデル」を構成する粒子のうち,その存在が予測されながら発見されていなかった唯一の粒子。今回の新粒子発見によって,素粒子物理学の基盤がさらに強固になると同時に,暗黒物質や宇宙における物質と反物質の不均衡など未解決問題の解明と,標準モデルを包含するより根的な究極の理論の研究などに弾みがつくと期待されています。 日もATLASグループの中心メンバー国の1つで,CERNでの発表の模様は東京大学にも同時中継されるとともに,日グループの共同代表の1人である小林富雄・東京大

    ヒッグスらしき新粒子を LHC の実験で発見
  • ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証

    「小澤の不等式」。数学者の小澤正直・名古屋大学教授が2003年に提唱した,ハイゼンベルクの不確定性原理を修正する式です。小澤教授は30年近くにわたって「ハイゼンベルクの不確定性原理を破る測定は可能」と主張し続けてきましたが,このたびついに,ウィーン工科大学の長谷川祐司准教授のグループによる実験で実証されました。15日(英国時間)付のNature Physics電子版に掲載されます。 小澤の式とはどんなものでしょうか? まず,物理の教科書をおさらいすると,1927年にハイゼンベルクが提唱した不確定性原理の式は,こんな形をしています。 εqηp ≧ h/4π  (hはプランク定数,最後の文字は円周率のパイ) εqは測定する物体の位置の誤差,ηpは位置を測定したことによって物体の運動量に生じる乱れです。もし位置が誤差ゼロで測定できたら運動量の乱れは無限大になり,測定してもめちゃくちゃな値がランダ

    ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2012/01/16
    「ハイゼンベルクの不確定性原理」を修正する「小澤の不等式」について。
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