「日本書紀」に620年の天文記録として残っている赤気の記述が「扇形オーロラ」と整合的であるとする研究成果が発表された。当時の人々が赤いオーロラの形状を雉の尾羽にたとえて記録したものだと考えられる。 【2020年3月18日 国立極地研究所】 今年令和2年で編纂から1300年になる「日本書紀」には、日本最古の天文記録として「十二月の庚寅の朔に、天に赤気有り。長さ一丈余なり。形雉尾に似れり」という620年(推古天皇二十八年)の記録が残されている。 国宝岩崎本「日本書紀」に残る赤気に関する記述(提供:リリースより/赤い傍線はアストロアーツによる) この記録について、オーロラを指しているという説と彗星を指しているという説が提唱されてきた。中国の歴史書には同年にオーロラや巨大黒点が目撃されたという記述が見つかっておらず、この点がオーロラ説とするには不利な材料である。一方、日本書紀で彗星は「箒星」として