どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 WHO(世界保健機関)の組織である「国際がん研究機関」(IARC)が26日、レッドミート(牛、豚、羊、馬などの肉)と加工肉(ハム、ソーセージ、コーンビーフ、ビーフジャーキーなど)の発がん性について発表した。 レッドミートは、probably carcinogenic to humans (おそらくヒトに発がん性あり)というグループ2A、加工肉はcarcinogenic to humans(ヒトに発がん性あり)というグループ1である。 (一部報道は、レッドミートを赤身肉と表現しているが、日本語でいうところの赤身肉(脂の少ない肉)
米メリーランド州の食品店に並べられたソーセージ(2015年10月26日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON 【10月27日 AFP】国連(UN)の国際がん研究機関(IARC)は26日、ソーセージやハムなどの加工肉が大腸がんの原因となると結論付けた調査結果を発表した。IARCは赤身の肉も「おそらく」がんを引き起こすとしており、急成長を続ける家畜業界に打撃を与える可能性がある。 国際がん研究機関は、世界中の800件の研究を精査した結果、「人体において、加工肉の摂取が大腸がんを引き起こすことを示す十分な証拠」が得られたとした上で、この調査結果は加工肉を主とした「肉の摂取量制限の推奨」を裏付けるものだとしている。 加工肉には、塩漬け肉、発酵肉、燻製肉などが含まれ、例えば、ソーセージ、コーンビーフ、ビーフジャーキーなどの切り干し肉、缶詰肉、肉をベースにしたソースなどが相当する。 IARCによれ
文部科学省が実施した保護者調査のインパクト 専門家会議による議論を受けて、2013年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、毎年実施される本体調査とあわせて、多様な観点から学力に影響を与える要因を分析する「きめ細かい調査」が実施された。 この調査は、(1)経年変化分析調査、(2)保護者に対する調査、(3)教育委員会に対する調査から構成されている。なかでも人びとの注目を集めたのは保護者を対象にした質問紙調査で、そこで得られたデータを用いた調査報告書が2014年・2015年に公開されている(リンク先は容量の大きいPDFなのでご注意ください)。 なぜこの調査結果が着目されたのか。やや遠回りになるが、その背景を整理してみよう。 90年代後半にいわゆる「学力低下」論が社会問題化し、2000年代以降には日本でも保護者の社会経済的地位(SocioEconomic Status:SES)を把握し
2015.10.25 追記 このまとめは、一般の人の予防接種をどうするかの行動指針を示すものではありません。 ワクチン接種の是非はメリットとデメリットのバランスで決まります。医療関係者の方々は、日々インフルエンザ感染者や、病気でインフルエンザ重症化のリスクが高い方々と接するために、予防接種のメリットも高いのであり、医療関係者が全員接種すること=全国民にとってメリットが高いという意味ではないです。 一人ひとりがワクチンを接種するかどうか、についてはかかりつけのお医者さんに相談のうえでお考えください。 このまとめの「意図」としては、メディア等で「インフルエンザワクチンは無意味である/効果がない」という記事が毎年のように書かれること、また「知り合いの医者が言ってたけど、医者は打たないらしいよ」などといった「噂」を見かけることなどから、感染症と日々戦う現場でこのワクチンがどういう意味を持っているの
各専門家のコメントは、その時点の情報に基づいています。 SMCで扱うトピックには、科学的な論争が継続中の問題も含まれます。 新規データの発表や議論の推移によって、専門家の意見が変化することもありえます。 記事の引用は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。 ・これは、2015年10月21日にジャーナリスト向けに発行したサイエンス・アラートです。 ・記事の引用は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。 <SMC発サイエンス・アラート> 低線量被ばくでも発がんリスクが高まるとする、国際的な研究成果:専門家コメント アメリカやスペインを含む国際的な研究チームは、原子力産業の放射線業務従事者が受ける低レベル放射線の被ばく量が増加するにつれて、労働従事者の発がんリスクが高まったとする研究成果を発表しました。これまでは、低線量被ばくよりも高線量被ばくの方が危険度が大きいとされていましたが、今回の研究で
コンビニおにぎりと弁当は危険!原価5円?添加物まみれで健康被害の恐れ と題するBuisiness Journalの記事(書いたのは食品ジャーナリストの郡司和夫さん)が話題になっている。「コンビニおにぎり」+「原価」または「添加物」で検索すると、この記事をシェアしたページがたくさんヒットする。 しかし、一読して私は、この記事は信用できないと判断し、根拠を調べてみた。結論として、コンビニおにぎりで使われているグリシンの健康リスクは無視して良い。また、原価5円という計算も、怪しい。 まず、グリシン問題から検討する。郡司さんは、「人間の体内でつくられるアミノ酸のグリシンと、人工的につくられた添加物のグリシンとは別の物質」と書いているが、これは明らかに間違っている。人間の体内で作られようが、化学合成されようが、グリシンはグリシンだ。この記述を読んだ時点で、この著者に対する私の信頼は、ゼロになった。
火曜日、スウェーデンにおいて食品の安全性を監督する役割を担う食品庁は、一般市民に向けた食物摂取に関する勧告のうち、コメの摂取についての勧告を変更した。変更内容は ・6歳未満の子どもにはライスクッキーを食べさせないこと。 ・6歳以上の子どもを含む全ての子どもは、コメやコメからできた食品(牛乳粥、ビーフン・春雨、朝食シリアルなど)を食べる回数を一週間にせいぜい4回までに留めること。 ・大人でも、これらの食品を毎日食べている人は、摂取量を減らし、週にせいぜい6回までにするよう努めること。 ・コメを食べる場合は、玄米ばかりを食べないようにすること。 という勧告も出されていた。 これらの勧告の理由は、コメには他の食品よりもはるかに高い濃度の無機ヒ素が含まれているからだという。 コメといえば、日本ほどでないにしろ、スウェーデンでもジャガイモやパスタ、スパゲティーの代わりに鍋で茹でて食べることがある。外
【ワシントン=小雲規生】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が違法ソフトで排ガス規制を逃れていた問題で、発覚のきっかけとなった実験を行った米ウェストバージニア大に注目が集まっている。同大学は過去にもディーゼルエンジンの排ガス規制逃れの解明に貢献したことがあり、一地方大学の実験能力に驚きの声があがっている。 同大学の研究班は、自動車などの環境性能向上を目的とする米民間非営利団体(NPO)の依頼を受けて、BMWのスポーツ用多目的車「X5」、VWの乗用車「ジェッタ」「パサート」のディーゼル3車種の排ガスの成分を、実際に路上を走行させて実験した。 欧米メディアによると、研究班に実験を依頼した米NPOは当初、欧州車の環境性能の高さを立証して、欧州でも米国並みの高い排ガス基準を作るよう促すつもりだった。NPOの関係者は「VWやBMWを疑うつもりは全くなかった」と話している。
執筆者 斎藤 勲 地方衛生研究所や生協などで40年近く残留農薬等食品分析に従事。広く食品の残留物質などに関心をもって生活している。 新・斎藤くんの残留農薬分析 斎藤 勲 2015年9月22日 火曜日 キーワード:農薬 先日東京の下町をプラプラと歩いていたら果物を販売する自動販売機があり、中にリンゴやナシが並べてあり、皆、無農薬という張り紙で1個400円であった。通常こだわりの品を食べている方はそれ程高いとは思われないかもしれないが、私には梨、無農薬! 400円!という感じであった。梨については、その頃は150円か200円で購入できる状況だと思ったが、無農薬で2倍、無農薬はそれ程の価値があるものかと考えさせられた。暇だったらその近くに座ってどんな方が400円入れるのかを見たかったが用事があり断念した。 インターネットでの通販も、梨もリンゴも結構こだわり商品があり、そこそこの値段を付けている
【経過報告】 2015年秋に、文科省に参考資料を添付した上で署名提出を行いました(趣旨には賛同するが文科省に出すという方法に反対だと後から連絡をくださった方の分は削除しました)。 EM側は議連を作って政治に食い込んでいますので、提出のスケジュールなどを出すと何か対策されるか妨害されるかする可能性がありましたので、敢えてネットには情報を出さずにおりました。 RikaTan2016年4月号に経緯を書きまして、そちらが出版されましたので、こちらでも報告させていただきます。 【賛同してくださる皆様へ】 賛同した後でお知らせメールが多数来て鬱陶しいという連絡を戴いております。申し訳ありません。change.orgの仕様のようです。送られたメールの下の方に配信停止を設定できるリンクがあるそうです。すみませんが、1通目を受け取ったら即配信停止にしていただけないでしょうか。署名画面一番下のチェックボックス
「新潟県産コシヒカリ」50商品を検査 新潟県が県産コシヒカリと表示した市販米のDNA検査を発表している。 調査は、首都圏、関西圏の小売店やインターネットで「平成26年産・新潟県産コシヒカリ」として販売している50点の商品をDNA分析したもの。 内訳は、スーパーマーケット28点、量販店4点、ドラッグストア4点、百貨店4点、インターネット購入10点だ。 約1割の商品にコシヒカリ以外が混入 結果は次の通り。 コシヒカリBL100%:36点(72.0%) コシヒカリBL+従来コシヒカリ:5点(10.0%) コシヒカリBL+その他:4点(8.0%) 従来コシヒカリ+その他:2点(4.0%) つまり50点中6点(12.0%)で、コシヒカリ以外の品種が含まれていたことになる。 同様の検査は毎年行っている。昨年度4回分(250点)の調査結果は次の通り。 コシヒカリBL100%:168点(67.2%) コシ
2015年06月30日 10:51 カテゴリ科学と暮らし ビールの発がん性 Posted by science_q No Comments No Trackbacks Tweet 【ビールの発がん性】6月15日・バレンシア大(スペイン):スペインで市販されている154銘柄のビールについて、発がん性のカビ毒であるマイコトキシンの含有量が調べられた。DONは60%の銘柄で検出された。 http://t.co/GUpxH9L0za— サイエンスあれこれ (@sarekore) 2015, 6月 29 【ビールの発がん性】 6月15日・バレンシア大(スペイン): 元々ビールに含まれるアルコールは国際がん研究機関(IARC)の発がん性評価ランクで最も危険なランク1の物質だ。その理由は、発がん性の強さに摂取量を加味したリスク指標(HERP指数)では2.1となり、史上最強の発がん性物質ダイオキシン(TC
平川 あずさ 2015年6月30日 火曜日 キーワード:メディア 栄養 添加物 農薬 一時盛んにマスコミに取り上げられていたが、最近あまりきかなくなった拒食症。拒食症は精神的な影響が大きく、若い女性が容姿を気にするあまり、痩せたい願望から陥りやすい。 拒食症のような摂食障害は、口腔や咽頭に器質的な病気がないのに食事が食べられなくなってしまう状態である。精神疾患と強く結びついたものなので、非常に治りにくく、難病といわれている※1。 また、拒食症患者は過食症になる場合もあり、過食後、罪悪感から嘔吐することも多い。この両方の症状を繰り返すことさえある。拒食症が重症化すると、長期に渡って口から何も入ってこないので、小腸上皮が萎縮し、そのために栄養剤を投与しても吸収ができなくなって危険な状態になる。そういう訳で拒食症や過食症は、今でも精神科領域では大変問題である。 一方、ヨーロッパでは、痩せの危険性
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 FOOCOMは19日、消費者庁に機能性表示食品についての申し入れを行いました。13製品の届出情報と消費者庁の受理について、疑義を呈すると共に、消費者庁にガイドラインの改訂、Q&A等による事業者への指導を求めました。 FOOCOM疑義20150619 その内容を、かいつまんでご説明致します。 個別に疑義を呈したのは次の13製品です(19日の時点では、情報が公開されているのはA37まで。うち1製品は届出撤回されていますので、検討は36製品を対象に行いました)。 A1 ラクトフェリン(安全性について) A4 ヒアロモイスチャー2
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