2013年秋のある晴れた日に、南カリフォルニアの沖合上空で米空軍のB―1戦略爆撃機から1発のミサイルが発射された。それは、新たな戦争のあり方を告げることになるかもしれない実験の始まりだった。 最初は、この爆撃機の操縦士がミサイルに指示を与えていた。しかし、途中で操作する側との通信が打ち切られた。人間の制御の手を放れたミサイルは、独自に3隻の船のどれを攻撃するかを決め、海面すれすれに飛行したあげく、長さ260フィート(約79メートル)の貨物船に命中した。 軍事の世界では、ソフトウェアを使って操作することが、どんどん増えている。今では、戦場から何千マイル(1マイル=約1.6キロ)も離れたところにいる操縦者が、画面を見ながら武装した無人機を動かすことができる。