30日の総選挙の結果は、中東諸国でも関心をもって取り上げられている。汎アラブ衛星放送の「ジャジーラ」は、投票日当日深夜、大勢が判明するとすぐ「野党、圧勝」の一報を流した。汎アラブ紙で「アラブのワシントン・ポスト」とも呼ばれるインテリ日刊紙の「ハヤート」は、9月1日付けのコラムで早速、民主党の分析を掲載している。エジプトの最大日刊紙の「アハラーム」を始め、中東の大手紙の大半が「自民党長期政権の終焉」を大きく取り上げた記事を流しているのに対して、「ハヤート」のコラムは、民主党の成り立ちや鳩山代表の出自にまで触れて、「実は政策的には自民党とたいした違いはない」とまで分析していて、なかなか詳しい。 だが、いずれのアラブ紙も共通して関心をもって触れているのが、鳩山代表のニューヨーク・タイムズの「論文」だ。「民主党は米国からの独立を目指している」――。実にアラブ世論のツボにはまった論点である。同じく汎
「日本にとって素晴らしい日」 2009年9月1日(火)10:50 (フィナンシャル・タイムズ 2009年8月31日初出 翻訳gooニュース) 東京=アジア編集長デビッド・ピリング 日本にとって素晴らしい日だ――。かつて公務員だったその人は嬉しそうに、そして少しいたずらっぽいまなざしでそう言った。「これで日本もやっと、台湾や韓国なみになったということだ」と。 台湾や韓国のように日本の有権者も、ひとつの政治集団から別の集団に、権力を平和的に移動させたのだから。これは1955年以来、初めてのこと。8月30日の総選挙で日本の民主党は地滑り的勝利を収め、中国共産党に匹敵するほど権力を長く独占していた自民党の覇権的支配をついに打倒した。 すでに退官した某公務員氏の発言は、ほかの日本人を穏やかに挑発しようとしてのものだ。というのも日本人のほとんどは、東アジアでもっとも政治的に成熟している大人
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