1 2 3 「国際標準」を制す者が、世界を制す! 日本は“脱・ガラパゴス”なるか? 仁義なき国際標準戦争 ――1000兆円の電力市場をめぐる戦いの現場に密着 日本の技術の粋を極めた薄型テレビ。その一部が輸出できなくなる“危機”に直面した。 原因は、世界共通の規格「国際標準」。高精細、高画質を際立たせる画面の光沢を、去年、欧州が規制したのだ。照明等の映り込みが不快感を引き起こす、との理由であった。パソコンで長時間作業する労働者を守るために20年近く前に作られた欧州規制を、テレビの画面にまで適用しようというのだ。日本国内のディスプレイ各社の必死の反撃で、規制は年内には撤廃される見込みであるが、「死活的問題だ」と日本の担当者は危機感を募らせた。 「国際標準」を決めるのは、主にISOなど3つの国際標準機関。いずれも、スイスのジュネーブに本部がある。多くの国が国境を接する欧州では100年以上前