19 シリーズ比較労働運動研究 (11) 連合と政治 中北 浩爾 立教大学法学部教授 はじめに この報告は、1989年11月21日に官民が統一し て連合が新たに結成されて以降、今日に至るまでの 時期における、日本の労働組合と政治の関係につい て分析する。ただし、 すべての労働組合ではなく、 連 合と その傘下の労働組合に対象を絞る と と もに、 狭い 意味での政治、 つま り政府や政党と労働組合の関係 に限定し て検討を加える。 1.政府との関係 まず労働組合と政府との関係について、連合結成 後10数年のなかで、 どのよ うな変化が生じたのか、 と いう問題から始めたい。 この問題については、いく つかの論点があり うる。 例えば、首相と連合会長の政労会見の開催も重要 であるし、一時期注目を集めた連合およびその傘下 の労働組合の自民党への接近という動きも興味深 い。しかし、おそら く最も