お高くとまってるようでほんとに小難しい日経新聞も、読み方を変えればけっこう面白いもんです。特に断りがなければ引用(青字)は日本経済新聞首都圏版です。※本紙は「愛の流刑地」を最初に特集したメディア(本紙調べ)です。「今日の愛ルケ」は連載小説カテゴリーからどうぞ。 春秋 -5日1面- ▼春めいた陽気のせいか、駅や道端で独り言を語る人をよく見かけるが、“独白人”を前にどう振る舞えばよいのか分からない。 ▼周りを見ると「聞こえないふり」が多いようだ。この季節、自分も約束時間に遅れて電車内で「しまった」などと口走ることが多いが、中には迷惑そうにスッと離れていく人もいる。 ▼他者との意思疎通目的でなく、無意識のうちに脳内に現れる言葉が外に出るのが独り言だという。玩具で一人遊びする幼児の口からは、自らが紡ぐ楽しい物語が聞こえるが、大人になるにつれ脳の扉は閉ざされていく。 ▼外的に囲まれる現代社会は脳内