第14回 節約をしすぎることのリスク ファイナンシャル・プランナー 坪川 仁保氏 2006年7月21日 サラリーマン家庭ではここ何年も収入が減り続けている家庭も多く、節約が日課になっている家庭も多いだろう。収入が減らずにそれほど変わらない家庭でも、子どもが生まれて家族が増えたり、子どもの年齢とともに支出が増えたりし、その分、ほかの家計費目をサイズダウンせざるを得ない家庭も多いのではないだろうか。 これまで美徳と考えられていた節約だが、やりすぎるとどんなことが起こるのか。今回は、その節約の功罪について考えてみたい。 賃金は15年前とほぼ同じ、支出は減少 下の表は、勤労者世帯の消費支出の内訳を、1990年から5年ごとに比較してみた数字である。2005年の数字は、それ以前のデータと同じ「家計調査」に基づいたものだが、若干整合性がとれていないので、一つの目安として見ていただきたい。