前回に取り上げた偵察機や偵察衛星は、画像情報(PHOTINT : Photographic Intelligence)、つまり「目で見て分かる」種類の情報を得るための手段である。 ところがそれ以外にも、「目で見えない」種類の情報がいろいろある。今回はその中から、電子情報(ELINT : Electronic Intelligence)と通信情報(COMINT : Communication Intelligence)を取り上げよう。 COMINTで分かること たとえば、仮想敵国の軍や政府機関が行っている通信の内容を知ることができれば、手の内を知る役に立つし、非公開にしている情報を得られる可能性にもつながる。だからこそ、軍や政府機関は通信保全に対して神経質になっており、矛と盾、狐と狸の化かし合いみたいな状況になる。 当然、通信を行う側は傍受される危険性を考慮して暗号化を行ったり、符丁や隠語を