交流サイト(SNS)への投稿などで刑事事件の遺族の心情を傷つけたとして4月、国会議員が行う裁判官弾劾裁判で罷免され、法曹資格も剝奪された岡口基一・元判事(58)が東京新聞のインタビューに応じた。 有名な法曹家向け実用書の著者として知られる一方、SNSでフォロワーを「楽しませようと」際どい投稿を繰り返すなど、異色の裁判官として知られた岡口氏。遺族への思いから今回の弾劾裁判への不満、背後に潜む最高裁の体質まで、60分にわたって率直に語った。(デジタル編集部・吉田通夫、宮尾幹成)
在留資格を失ったまま、入管施設への収容を一時的に解かれた「仮放免」の外国人が医療機関を受診する際、公的医療保険の自己負担分を超える高額な医療費を請求されるケースが相次いでいる。仮放免中は働くことも健康保険に入ることもできず、無保険の外国人には費用を上乗せする病院もあるからだ。NPO法人・北関東医療相談会には昨年だけで約10件の事例が報告されており、「法外な請求で貧しい外国人は医療を受けられず、人権上問題」と批判する。(池尾伸一)
大手求人サイト「バイトル」の求人広告に何者かに無断で応募され、対応に追われて業務を妨害されたのは、運営会社が適切な措置を取らなかったためとして、共同親権導入反対などを訴えている弁護士5人が26日、サイトの運営会社に計500万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
日米首脳会談では、防衛装備品の共同開発で連携を強化すると確認された。この軍拡方針と歩調を合わせるように本年度、防衛省は「防衛イノベーション技術研究所」なる組織を設ける。モデルは米国の「国防高等研究計画局(DARPA、ダーパ)」というが、何をもくろむのか。ダーパと同様、学術界や産業界と接触を繰り返し、大学や研究機関を軍事研究に取り込む「軍学共同」にいざなう腹づもりか。(西田直晃、森本智之) 「強い決意で防衛力強化に取り組んでいると伝え、バイデン大統領から強く支持を得た」。10日、日米首脳会談後の共同記者会見。訪米中の岸田文雄首相はそう語った。今後、作業部会や実務者協議の場を設け、ミサイルやジェット練習機といった防衛装備品の共同開発・生産を促進する。
埼玉県川口市の「一部の外国人による迷惑行為の現状を確認する」として、新藤義孝経済再生担当相らが13日、市内の公園を視察し、奥ノ木信夫市長や自民党の同市議団5人と非公開で意見交換した。近年、市内に集住するクルド人に対する排斥運動が頻発し、有識者からは「視察自体が外国人への偏見を助長するのでは」と懸念する声も上がっている。(大久保謙司、出田阿生) ともに同党で、地元選出の新藤氏、中野英幸法務政務官、出入国在留管理庁の君塚宏出入国管理部長が、市内2カ所の公園を訪れた。場所は市が選定したといい、市協働推進課は「クルド人が集まって騒音問題が起きているといった情報が地元市議から複数寄せられており、その中から選んだ」としている。 このうち同市上青木の公園では、1月にトイレが壊された。同課は「防犯カメラ映像に外国人らしき人物が写っていたが、国籍の確認はしていない」という。市は壊した人物を特定していないが、
出入国在留管理庁(入管庁)が進める外国籍の子どもへの特例的な在留特別許可で、過酷な決定にさらされる家族が相次いでいる。生まれが約1カ月遅かっただけで家族全員が不許可となったり、親に許可しないなど「家族分断」のケースも。当事者たちは4月1、2日と東京都内で相次いで記者会見し「早く平穏に住めるようにしてほしい」と訴えた。(池尾伸一) 子どもへの在留特別許可の特例措置 在留特別許可は在留資格がない人に法相が裁量で在留を認める制度。難民申請3回目以降の人の強制送還を可能にする改正入管難民法の6月施行を前に、出入国管理庁は今回限りの措置として日本生まれの小中高生と、保護者の親やきょうだいに特例的に在留を認める方針。親が偽造旅券で入国したり、懲役1年超の実刑を受けたりしている場合は対象外。同庁によると在留資格のない18歳未満の子どもは22年末で295人。うち条件を満たす約140人を救済する見通しを公表
世話人の一人、会社員の中島麻由子さん(38)=さいたま市=は、街宣やネット上での差別的な言説は「クルド人の問題ではなく、日本に昔からある排外主義の表れだ」と主張。差別的な言動に対し刑事罰を科す条例を2020年に施行した川崎市ではヘイトデモが減少しているとし、「埼玉にも条例が必要だ」と求めた。 ネットなどでは、外国人住民が原因で川口、蕨市の治安が悪くなっているとの情報もあふれるが、川口市に住む折茂あいさんは「全然そう思わない」と否定。「多様なバックグラウンドを持つ住民が暮らす川口を誇りに思っている。住民や行政などが努力を重ねた結果だ。なのに行政や議員らが仕事をしていないかのように言われ、ショックだ」と心境を語った。
同性婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法違反だとして、全国の同性カップルらが国を訴えた裁判で、3月14日の札幌高裁判決(斎藤清文裁判長)は「憲法24条1項に違反する」との初判断を示し、「同性間の婚姻も異性間と同じ程度に保障している」と踏み込んだ。憲法学者はこの判決をどう受け止めたのか。ポイントや意義を、憲法を専門とする慶応大法学部の駒村圭吾教授(63)に聞いた。(奥野斐) 同性婚訴訟 戸籍上、同性の2人の結婚を認めない民法や戸籍法は憲法違反だと訴えた裁判。原告には、戸籍上はともに女性だが、一人がトランスジェンダー男性で、男女として暮らすカップルもおり、原告らは「同性婚」ではなく、「婚姻の平等」を求める「結婚の自由をすべての人に」訴訟と呼んでいる。2019年に札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5地裁に提訴。21年に東京地裁に追加提訴。これまでの地高裁判決7件のうち「違憲」「違憲状態」は6件に上
埼玉県立高校の共学化勧告を巡り、男子校の県立浦和高の生徒ら約150人が21日、さいたま市の同校で意見表明会を開き、共学化への思いを県教育委員会に伝えた。 参加者からは「男女別学に通いたいという多様性を無視している。『別学の方がいい』と、この学校に入った。生徒の声に耳を傾けて」「現段階で早急に共学にする必要はない。男子校と女子校の交流機会を設けるなど試せることはある」など反対意見が多く挙がった。 勧告は昨年8月、県男女共同参画苦情処理委員が行い、県教委は1年以内の報告書提出が求められている。県教委の依田英樹高校改革統括監は「皆さんの意見を重く受け止め、教委全体にも伝え間違いのない判断をしたい」と語った。別の学校でも希望があれば同様に対応するという。 同校の意見表明会は生徒会が校長や教員らと相談し県教委に開催を依頼。進行を務めた生徒会長で2年の田原薫さん(17)は「生徒会として、意見を言っても
迫害を恐れ日本で難民申請しているトルコ出身のクルド人を支援するクルド難民弁護団は18日、東京都内で会見し、「日本にいる多くのクルド人は真の難民であり、帰国できない窮状を理解して、隣人として受け入れていただきたい」と市民に共生を訴える異例の呼びかけをした。弁護団は呼びかけ文などを同日付で、在日クルド人が多く住む埼玉県の大野元裕知事や埼玉県川口市の奥ノ木信夫市長らに送付し、理解を訴える。 弁護団は、在日クルド人がつくる「日本クルド文化協会」(同市)と協会幹部6人が昨年12月、トルコ政府から「テロ組織に属する」と認定されたことや、生活習慣の違いなどから一部で住民と摩擦が起きていることを憂慮した。 トルコ政府の認定について、弁護団の大橋毅事務局長は「トルコ政府によるテロ対策名目の措置は、根拠のない人権侵害に当たると欧州人権裁判所の多数の判決によって認定されている」と指摘。協会は非合法武装組織クルド
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、パレスチナ自治区ガザの支援を担う「国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)」の清田(せいた)明宏保健局長(63)が来日中の16日、「こちら特報部」の取材に応じた。UNRWAの一部職員がハマスのイスラエル攻撃に関与した疑いが浮上し、日本などが資金の拠出を停止したが、清田氏は人道的観点から拠出再開を切望した。(北川成史) 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA) 1949年の国連総会決議に基づき設立された。パレスチナ自治区のガザやヨルダン川西岸のほか、ヨルダン、レバノン、シリアで、パレスチナ難民支援のため、学校や病院、避難所の運営などを担う。ガザでは約1万3000人のスタッフを雇っている。支援国・機関の拠出金で支えられ、2022年の拠出金総額約11億7000万ドル(約1755億円)のうち、国別1位は米国の約3億4000万ドル(約510億円)
さいたま市の埼玉県営秋ケ瀬公園で続いてきたトルコなどの少数民族・クルド人の春の祭り「ネウロズ」の今年の開催が危ぶまれている問題で、公益財団法人・県公園緑地協会は29日、中止を求めていた演奏を許可する検討を始めたことを明らかにした。過去に演奏を認めた例があり、明文化されたルールもなかった。方針が二転三転する協会の対応は批判を招きそうだ。
「外国人への生活保護は違法だ」…。インターネットのSNSでは排外主義的な言説が見られる。2022年9月の安倍晋三元首相の国葬の際は「#国葬反対より外国人生活保護反対」の投稿が相次いだ。 生活保護法1条は保護の対象を「国民」と規定する。最高裁は14年7月、「外国人は生活保護法の対象外」とし、「国民」の範囲について初めて判断した。 しかし「外国人への生活保護が違法との認識は誤りです」と、相模女子大の奥貫妃文教授(社会保障法)は強調する。最高裁判例は「生活保護法の適用を受ける」のは日本人だけと示すにすぎない。各自治体は行政措置として一定の外国人に保護を実施してきたが、こうした措置については判断されなかったという。
「殺傷能力ある武器」輸出解禁、自衛隊「パトリオット」を早速アメリカに 国会で議論ないまま「三原則」改定 政府は22日、武器輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」と運用指針を改定した。三原則本体の改定は約10年ぶり。武器輸出政策を大幅に転換し、ミサイルや弾薬など殺傷能力のある武器輸出の解禁に踏み切った。国際紛争を助長する懸念は否定できないが、三原則は閣議で、運用指針は国家安全保障会議(NSC)で決定され、国会での議論はなかった。(川田篤志) 防衛装備移転三原則 日本は1970年代に武器の原則禁輸を定めた武器輸出三原則を確立。安倍政権下の2014年に策定した防衛装備移転三原則で一部容認するルールに転換したが、国際共同開発品を除き殺傷武器の輸出は禁じてきた。2022年末に閣議決定された安全保障関連3文書が「防衛装備移転の推進」を掲げたのを受け、自民、公明両党の実務者が原則非公開の協議を経て、1
埼玉県川口市とその周辺のクルド人らが、夜の巡回と清掃に力を入れている。交流サイト(SNS)でクルド人を非難する書き込みが増え、住民との間でトラブルも発生したことを受け、日本の生活ルールを広め、地域で共生するのが狙い。背景には、強制送還を容易にする来年の改正入管難民法施行への危機感もある。 クルド人 「国を持たない最大の民族」と呼ばれ、トルコ、イラク、シリアなどにまたがって居住している。トルコでは弾圧が激しく、多くの人が難民として逃れており、国連によると2011年から10年間で世界各国で約5万人のクルド人が難民認定された。日本でも埼玉県川口市や蕨(わらび)市に多く住んでいるが、国内で難民認定された例は北海道での1人にとどまる。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く