大学進学における 「地方」 と 「性別」 の 「足枷」 寺町晋哉 2021 4 1 57.4 51.3 2 1 1 18.2 11.9 10.2 10 大学進学における格差の複数性 1 大学進学の都道府県格差 70 40 2019 2015 3 1 2 2021年度現在、高校卒業後に4年制大学へ進学する者の数は男子57.4%、女子51.3%であり、二人に一人以上 が進学しているが、実は二つの「足枷」が存在している。一つは非大都市圏、いわゆる「地方」であり、どの地 域に在住しているかによって大学進学のハードルは異なっている。もう一つは「性別」であり、全国の大学進学 率において女子が男子を上回ったことはこれまで一度もなく、特に「地方の女子」は「地方と性別」双方が大学 進学の「足枷」になる。 大学進学には社会的諸条件が影響するため、 「大学進学はやる気さえあれば誰でも可能」といった個人の努力や
「人種」は,一般に浸透している用語であるが,概念の定義を学ばなければ誤解しやすい.人種概念に対する誤った認識や,過去・現在の人種主義に対する理解の欠如は,国内外で生じている人種差別への理解を矮小化し,他者への差別・偏見を助長する土壌にもなりかねない.人種概念の理解に向けて地理教育も積極的な役割を担う必要がある.現行の高校地理教科書における「人種」および「黒人」に関する記述を分析した結果,すべての教科書において「人種」や「黒人」という語は使用されているが,概念の定義を説明している教科書は限定的であり,その説明にも不十分な点がみられた.「人種」や「黒人」という語を用いることでしか表せない現実も存在するため,使用を必要以上に避けるのではなく,注意を払って使用することが求められる.また,不必要に人種概念によって地域を表象することにより,単純な地域理解に生徒を導いてしまうことは避けなければならない.
Online ISSN : 1881-6495 Print ISSN : 0913-1442 ISSN-L : 0913-1442
本稿では,ジェンダーステレオタイプと理系への進路希望との関係を調べ,ジェンダーステレオタイプが理系選択の障壁になっているのかを考察した.2012 年に実施された「高校生と母親調査」のデータを用いて分析したところ,「男は外で働き,女は家庭を守るべきである」という性別役割分業に関するジェンダーステレオタイプを肯定した女子生徒に比べて,肯定も否定もしなかった女子生徒および否定した女子生徒は,理系を希望する確率が高く,統計的に意味のある差が確認された.一方で,「男性の方が数学や専門的な技術を使う能力が高い」という能力に関するジェンダーステレオタイプは,男女ともに,理系への進路希望とは統計的に意味のある関係は確認されなかった.また,理系科目の成績,親の学歴や世帯年収といった家庭環境も,理系への進路希望と統計的に意味のある関係を持っていることが確認された.性別役割分業をはじめとする社会全体に未だ根強い
本稿は、戦後派世代の旧軍関係者団体への参加と、そこで生じた「歴史修正主義」の台頭を、陸軍士官の親睦組織である偕行社を事例に明らかにする。先行研究では、旧軍関係者団体の戦後派世代への「継承」の困難さが指摘されている。しかし、偕行社のように現在まで存続している団体もある。本稿では、偕行社がどのようにして困難さを乗り越え存続したのかを会内の「歴史修正主義」の台頭や、自衛官OBの参加に注目して分析する。 親睦組織として発展した偕行社では、「陸軍の反省」が求められていた。しかし、1990年代後半になると「自虐史観」への反発が強まり、会内で「歴史修正主義」が台頭した。同時期には、会の資産と将来について、激しい議論が展開された。そうした対立を孕みつつも、最終的に自衛官OBを後継者として迎え入れ、「英霊」の永続的奉賛のため、会は存続することとなる。 この背景として、会の「政治化」と「歴史修正主義」があった
東海地震は発生が予想される国内有数の震災であるが,その家庭対策の1つとして食料品備蓄が挙げられている.本研究は家庭による食料品備蓄の普及のために,食料品備蓄の便益と費用に対する家庭の評価の形成要因を明らかにすることを目的とした.分析に用いたデータは2011年5月に静岡県静岡市において実施した調査より収集した.分析結果より,食料品備蓄が実施されない理由として,食料品備蓄の必要性が十分に家庭に認識されていないこと,備蓄の計画を立てる能力が不足していることが考えられた.また,食料品備蓄を実施しても継続を断念してしまう家庭が存在するが,その理由として,食料品の買い出しの手間や備蓄食料品の消費の問題,備蓄スペース等の負担が,食料品備蓄を実施した経験により増幅され,顕在化した可能性が考えられた.他方,食料品備蓄の知識が豊富な家庭ほど,食料品備蓄の必要性を認識し,食料品備蓄実施に伴う様々な負担も感じにく
At the present time circumstances around universities change on a large scale and students are in more severe situations than before. Therefore the problems which students have are complex and more difficult to solve. One professor or one counselor for one truant is beyond his capacity. Plural and trained staffs from various fields must grapple with one truant’s problems. This paper points out tru
Science subjects at Japanese high schools are divided into physics, chemistry, biology, and Earth science. The numbers of credits set are two for basic subjects and four for advanced subjects. With a change of courses based on new guidelines enforced by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology Japan (MEXT) in 2012, the Earth science field has classes in Basic Earth Scienc
Online ISSN : 2187-1779 Print ISSN : 0916-006X ISSN-L : 0916-006X
2022年から実施される学習指導要領の改訂では,地理歴史科の科目が「地理総合」,「地理探求」に変更となり,地図や地理情報システムの活用による国際性,主体的な思考力の養成が求められることとなった。これにあわせて,土壌に関して国内外で蓄積されてきた研究成果を基礎にした,正確な地図および用語を高校生が活用できるように,高校地理の土壌に関わる教育内容の更新が喫緊の課題である。そこで,現行の高校地理(地理B)の教科書にみられる用語および地図の問題点を整理し,教育内容の修正・更新案を提示した。具体的には,(1)チェルノーゼム,プレーリー土,パンパ土,栗色土の統一,(2)単独の土壌分類名と対応しないツンドラ土の削除,(3)「ラテライト」の削除とフェラルソル(ラトソル)への統一,(4)ポドゾル,フェラルソルの分布域の過大評価の修正,(5)テラロッサ,テラローシャを含む「粘土集積土壌」の追加,(6)間帯土壌
本論の目的は,「第三の領域」と呼ばれる分野で働く新しい専門職のキャリアと職務に関する意識に関して,ファカルティ・ディベロッパー,キャリア支援・教育担当者,インスティテューショナル・リサーチ担当者,リサーチ・アドミニストレーション担当者,産官学連携コーディネート担当者を事例として取り上げて,聞き取り調査の結果を分析することによって明らかにすることである。 各分野で概ね共通して認識されていることは次の通りである。任期付雇用のために,必ずしも十分には目標を達成することができず,職能形成にも課題がある。また,求められる知識・スキルが多様であること,専門とは異なる仕事を任されること,そもそも仕事の目標さえ曖昧であったりすることゆえに,何が評価の対象とされているのかがわからず,専門職としてのアイデンティティが揺さぶられている。他方,裁量を発揮することは可能であり,やりがいを感じることもある。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く