前置き 2020年3月に博士課程を修了しました。ちょうどよいタイミングなので、自分がここまでやってきたことと・これからやっていったほうがよさそうなことの簡単なまとめを書こうと思います。関心の核心は 自然言語処理の研究に悩む その3 - Reproc.pnz からあまり変わっておらず、恥ずかしながら特に新しい内容を書いているわけではありません。どちらかと言うと年に一度くらいこういう考え直しを繰り返して自分の立ち位置を振り返る、という感覚かもしれません。 理解を説明するということ 「言語を理解している」という状態について形式的な定義を与えることは簡単ではありません。それを観測する人によって「これはわかっているでしょ」「これはわかっているとは言えないでしょ」と解釈が異なることがありえます。したがって、社会的に必要な場合は何らかのタスクを用意してある一定の基準をクリアしているときに「わかっている」