オープンな化合物データを入手元として最も手軽なのは、主に論文等から収集されたデータを収録しているChEMBLやPubChemなどの公共データベースを利用する方法でした1。一方で、企業等が新薬の候補として創出した化合物の情報は特許として公開される場合が多く、これらの多くは先述の公共データベースには一部しか収録されていません。そこで、この記事では特許から化合物情報を取得する場合のノウハウについて、解説します。 なお、この記事は、創薬 (dry) Advent Calendar 2019 の3日目の記事です。 SureChEMBLを使って化合物の特許を検索する SureChEMBLは、ChEMBLと同じくEBI (European Bioinformatics Institute)によって運営されている化合物の特許情報を集めたデータベースです。キーワードや構造式で特許とそこに紐付いた化合物の情報