私のようなアラフォー世代は「ドラクエの冒険書が消えてしまう」というショックは、人生の歴史に刻まれている大きなショックなのである。 僕のが消えたのは、小学校4年の頃、プレイ中、夏の夕立で一瞬停電した時であった。そして再び電気が復旧した時に消えたのである。 実は当時の映像の記憶は僕にはほとんどない。 記憶にあるのは、コントローラーを放り投げた僕が急いで階段を降りて飛び込んだリビングで、家族達が僕に目を丸くしていた光景である(家族によればこの時僕は異常なほどに真っ青な顔をしていたらしい)。そして恐怖で部屋に戻れなくなった僕は、姉についてきてもらい、姉にリセットボタンを押してもらうという運びとなる(←勇者でもなんでもない)。 以来僕は、常にこの疑問とともに年をとってきた。 ――なぜあのイベントはあれほどまでに怖く、不気味だったのか。 ユーチューブにこの冒険書消失シーンの動画がある。コメント欄を見る