NTTドコモの久保田です。2度目の登場です。 みなさんItem2Vecという技術をご存じでしょうか。 Item2Vecとは、文章から単語の分散表現を獲得するWord2Vecを推薦システムに適用した技術です。具体的にECサイトでの推薦を考えたときに、Word2Vecの単語を商品に、文章をユーザが評価したアイテム集合として、アイテムの分散表現を獲得し、アイテム間の類似度などをもとに推薦していく感じです。 簡単に実装できるので、割とやってみた系の記事が多いですが、実際に推薦システムへの適用を考えたときに気を付けるところがあります。 Item2Vecの実装方針 gensimというトピック分析のライブラリがあり、このライブラリを使えば簡単にItem2Vecを実装できます。 1行をユーザが評価しているアイテム集合、各アイテムはスペースで区切られたテキストファイル(今回は、item_buskets.tx
こんにちは。Algomatic の宮脇(@catshun_)です。 本記事では文書検索において一部注目された BGE M3-Embedding について簡単に紹介します。 Chen+'24 - BGE M3-Embedding: Multi-Lingual, Multi-Functionality, Multi-Granularity Text Embeddings Through Self-Knowledge Distillation おことわり 本記事では精読レベルの 詳細な解説は含みません。 詳細については 参照元の論文をご確認ください。 不十分また不適切な言及内容がございましたらご指摘いただけますと幸いです。 プロダクト等の利用時は 必ずライセンスや利用規約を参照して下さい。 本記事で紹介する 論文 は Work in progress とコメントされており今後内容が更新される可能
#1ではBoWと形態素解析の導入、#2では特徴語抽出とtf-idfについて取り扱いました。 #3ではここまで出てきた疎行列(Sparse matrix)の取り扱いにあたって分散表現とWord2vecについて取り扱いたいと思います。 以下目次になります。 1. 疎行列の取り扱いと局所表現・分散表現 2. Word2vecの仕組み 3. Word2vecの実装 4. まとめ 1. 疎行列の取り扱いと局所表現、分散表現 ・背景(自然言語処理における疎行列の取り扱い問題) 自然言語処理を行う際にBoW的なアプローチ(生起頻度のカウントとtf-idf値での計算のどちらも含みます)を行うにあたって一番ネックになりうるのは疎行列(Sparse matrix)の問題です。 https://scikit-learn.org/0.16/modules/feature_extraction.html#spars
はじめに Deep Learning モデルの予測理由を可視化する手法がたくさん研究されています。 今回はその中でも最もシンプルな(しかし何故かあまり知られていない)self attentionを用いた文書分類モデルを実装したので実験結果を紹介します。 この手法では、RNNモデルが文書中のどの単語に注目して分類を行ったか可視化することが可能になります。 2019/04追記 本記事で紹介したモデルをAllenNLPを使用して書き直した記事を公開しました。 attentionの復習 attentionとは(正確な定義ではないですが)予測モデルに入力データのどの部分に注目するか知らせる機構のことです。 attention技術は機械翻訳への応用が特に有名です。 例えば、日英翻訳モデルを考えます。翻訳モデルは”これはペンです”という文字列を入力として"This is a pen"という英文を出力しま
scouty 代表の島田です。 トピックモデルで単語の分散表現 - 理論編 - scouty AI LAB では、局所表現・分散表現の違いに関して説明しましたが、「単語の分散表現と同じように、文*1の分散表現を作るにはどうすればよいか?」というのが今回のテーマです。 CNNで文の識別タスクを解く - scouty AI LAB でもCNNによって文の分散表現を作る方法を扱いましたが、本記事では Recursive Autoencoder によって文の分散表現を作る方法をご紹介します。 Autoencoder とは何か Recursive Autoencoder は、 Autoencoder (オートエンコーダー)を組み合わせることによって文の意味表現をひとつのベクトルとして表そうとするモデルです。 Autoencoder というのは、入力ベクトルを受け取ったら、入力ベクトルと全く同一のベク
の二つの進行が多い印象です。前者は『Neo-Aspect』や『Song I am.』など藤永龍太郎(Elements Garden)さんが作曲した曲、後者は『FIRE BIRD』や『ROZEN HORIZON』など上松範康(Elements Garden)さんが作曲した曲によく見られます。 word2vecとは 自然言語処理で用いられる手法の一つで、文章から単語のベクトル表現を獲得するものです。単語をベクトル表現することで各種演算ができるようです。代表的なものだと、 が例でよく見られます。word2vec自体は以下の記事がとても分かりやすいです。 Word2Vecを理解する 絵で理解するWord2vecの仕組み 本記事ではコード進行を「文章」、コードを「単語」とみなし、ベクトルを獲得することを試みます。前章で述べたようにC/Amキーでは例えば「G」コードの後には「C」コードが来ることが多く
paragraph2vecの論文 要訳 (Distributed Representations of Sentences and Documents)自然言語処理機械学習word2vecparagraph2Vec論文読み 原文: Distributed Representations of Sentences and Documents 要訳者からのお知らせ この要訳はTSGの機械学習分科会での発表のために作られたものです。 雑に内容を理解するためのまとめであり、正確な内容を保証するものではありません。 致命的なミスはコメントか編集リクエストでお知らせください Abstract 機械学習するには入力を固定長のベクトルにする必要がある 既存手法で一番popularなのはbag-of-words だけどBOWはクソ 順序の情報が失われる 単語間のセマンティクスが失われる なので Paragr
はじめに RoPE ってなに? となったので調べてみた Rotary Positional Embeddings (RoPE) Rotary Positional Embeddings (RoPE) = 絶対位置埋め込みと相対位置埋め込みの長所を組み合わせた新しいアプローチのこと。 そもそも位置埋め込みってなに?なんで必要? Transformerモデルは、入力トークンの順序を考慮せずに処理をする "the dog chases the pig" と "the pig chases the dog" のような異なる意味のフレーズも同様に扱われる これを解決するために、位置埋め込みという概念が導入された 「RoFormer: Enhanced Transformer with Rotary Position Embedding」という論文で2021年に初めて詳細に説明され、自然言語処理(NL
英語記事をAI関連 or AI関連でない、というテキスト分類器を fastText + 量子化で作ったら、ファイルサイズ1.7MBで実用的なモデルができてしまって驚き、というお話をメモ記事に。1.7MB ですよ!! AI Newsでは、AI関連 or AI関連でないのテキスト分類にAI News の公開と、裏側の OpenAI の活用話で書いた通り、OpenAIのtext-embedding-ada-002で1536次元のベクトルにしたものをlightGBMで学習させたものを使っている。この方法の問題は、すべての記事の判定に必ず OpenAI の API を通す必要があり、長文記事が沢山あると日によっては一日あたり数十円がかかってしまっている。月にすると500~1000円はかかってそうで、チリツモヤマトテナデコである。 というわけで、そろそろデータも溜まってきたしと、OpenAIのAPIに
はじめに こんにちは、AIチームの杉山です。 今回の記事では、QA検索などを行う際の文類似度の計算に、文の埋め込みベクトルを用いてknnで計算した場合とSVMを用いた場合の結果を簡易的ですが定量的に比較してみたいと思います。 動機としては、LangChainのRetrieverの実装にkNNだけでなくSVMを用いた実装が採用されており、その説明の中で以下のようにSVMの方が良いことが多いとされていたことでどれくらい性能が異なるかを確認したいと思ったためです。[1][2] TLDR in my experience it ~always works better to use an SVM instead of kNN, if you can afford the slight computational hit 具体的には、クエリ自身だけを1クラス、検索対象のドキュメント集合全体を別の1ク
埋め込み量子化 埋め込み量子化とは、通常float32で表現される埋め込みベクトルを整数型やバイナリで表現することで、計算の高速化、メモリの節約、ストレージの節約を目指すものである。 埋め込みベクトルのバイナリ化を行うことで、1/32のデータ量になり、検索精度は90%以上を保持することができる。 またバイナリ化された埋め込みベクトル間の距離はハミング距離であるので、XOR演算とpopcountを使うことで高速計算が可能。実際にハミング距離を使った高速検索はGoogle検索でも使われている。 このアプリケーションの実用性はその制約次第だが、VectorDB内のベクトル量が250Mを超えたら、利用を考える価値が高い。 クロスエンコーダーの学習 クロスエンコーダーの利用と学習はSentence Transformersのメイン機能である。 バイエンコーダーとクロスエンコーダー ベクトル検索に使わ
Cohereが提供を開始した多言語用のテキスト埋め込み用のモデルであるembed-multilingual-v3.0の性能を日本語の文類似度と検索のデータセットで評価してみました。 Cohere Embed v3とは CohereのEmbed v3はテキストを埋め込むためのモデルです[1]。これまでもv2モデルがありましたが、それと比べた主な改良点は、単純に性能が向上していることに加えて、コンテンツの全体的な品質を評価する機能が挙げられます。この機能はノイズの多いデータセットを扱う場合に役立ち、品質の高い文書を上位にランク付けすることができとしています。さらに、圧縮を考慮した特別な学習方法を実装しており、ベクトルデータベースの実行コストを大幅に削減できるとしています。この機能の詳細については、近日中に公開とのことです。 画像はhttps://txt.cohere.com/introduci
こんにちは、DSOC R&Dグループ インターン生の荒居です。 この記事は、単語埋め込みに単語埋め込みを埋め込む-前編-の続きの記事です。 前編では、ベースとなる 単語埋め込み になかった単語のベクトル表現を別の単語埋め込みから輸入することを実験的に行い定性的に評価をしました。 今回は同じ手法でベースとなる単語埋め込みを拡張し、文書分類のタスクを解かせてみることでその有効性の検証を行います。 振り返り 前回の記事では、2つの単語埋め込みの両方に含まれる単語のベクトル表現の対応関係を線形変換として表現し、その線形変換を片方の単語埋め込みにしか存在しない単語ベクトル表現にも適用することで、単語埋め込みの拡張を行いました。 2つの単語埋め込みの積集合を用いて単語ベクトル空間の間の変換を取得する単語ベクトル表現を別の単語埋め込みから「輸入」する 単語埋め込みの良さを評価する 単語埋め込みの良さを評
こんにちは。最近シェアハウスのネットワークをIPv6に切り替えたら快適になった@Ssk1029Takashiです。 最近は学習済み単語分散表現が日本語でも充実してきており、語彙の多いもの・ドメインに特化しているものなど選択肢の幅が広がってきています。 日本語処理フレームワークであるGiNZAからもデフォルトで単語分散表現が使用可能です。 今回はワークスアプリケーションさんが作成しているchiVeという学習済み単語分散表現を使って、機械学習の精度を向上できるかを見てみます。 はじめに GiNZAとは chiVeとは GiNZAから学習済み単語分散表現を使用する GiNZAからchiVeの分散表現を使用する クラス分類の精度が向上するか試してみる まとめ はじめに 単語分散表現とは単語に対して、ベクトルを埋め込む技術で、Word2Vecなどが代表的です。 すでに学習されている分散表現を使用する
概要 [1703.00607] Dynamic Word Embeddings for Evolving Semantic Discovery word embedding の時系列変化が見たい(これどこかの論文でも見た気がする). 例えば, apple という単語は昔は果物が連想されるだけだったが,今ではテクノロジー企業も連想されるだろう. 例えば, trump という人名だって「不動産」 -> 「テレビ」 -> 「共和党」と連想するものが時間と共に変化するだろう. そういうのが見たい. 問題は,従来の embedding の方法は学習時に回転を考慮しないため,異なる時点での embedding を対応付けることができない.そこで,従来手法では, 各時点での embedding を学習する 時点ごとの embedding を対応付ける alignment を解く という二段階のアプローチ
Googleが2018年10月に発表し、大いに話題となった自然言語処理モデルBERT。このBERTのモデルから単語ベクトルが抽出できるようなので、色々と調べてみようと思います。 BERTの単語ベクトルの特徴 単語ベクトルといえばWord2Vecですが、Word2Vecの単語ベクトルは、異なる意味の単語でも字面が同じならば全て同じ値になってしまうという欠点があります。 例えば下のような文があった場合、この文の最初の「HP(ヒューレット・パッカード)」と2つ目の「HP(ホームページ)」は別の意味を持つ単語ですが、ベクトルとしては同じになります。 HP社は、2019年11月18日に新製品をHPで発表した。 ところが、BERTの場合は、2つの「HP」のベクトルは異なる値になります。それだけではなく、下の例のような同じ意味の3つの「HP」も、すべて異なるベクトルになります。 HP社は、HP社と、HP
1.概要 分散表現(distributed representation)の学習手法である、skipgramとskipgram with negative samplingをPytorchを使って実装したので、その紹介をしたいと思います。 2.理論 まずは 理論的な側面を簡単に紹介します。 2.1.分散表現(distributed representation)とは 分散表現は埋め込み(embedding)表現とも呼ばれたりするのですが、離散的な値を数値的な値で表現したものを指します。 言語における単語などは代表的だと思いますが、単語を単純にone hot encodingで離散的な値のまま使うと、かなり次元が高くなってしまいます。 一方で分散表現を学習することで、低次元かつ連続的な値として扱うことが可能です。 また以下の図で表現されているように、連続的な値のため類似度を計算することも容易
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