理解しやすいように適当に遮ったり、言い切ってしまったところもあるがご容赦いただきたい。 MVCの登場 MVCは、SmalltalkのGUIライブラリのモデルとして登場した。 これはGUIアプリケーションを記述する際に、適切なモデル化を進めるのにとてもいい考え方だと思われていたし、実際にそうだった。 これはアーキテクチャパターンとして、それぞれがどのように依存するべきか、どこにコードを書くべきかということを端的に表している。 安定依存の原則というものがある。これは、要件が安定しているモジュールに依存し、要件が変動しやすいモジュールには依存しないようにするという原則だ。MVCアーキテクチャでは、GUIアプリケーションの安定関係をModel > View > Controllerの順でとらえている。データ処理や業務要件というのは安定しており、UIパーツもまた比較的安定している。それらを統合してア
TL;DR 手続き型プログラミングでは手続きを抽象化することで保守性を挙げることに成功したが、データを守ることには失敗してしまった。そこでオブジェクト指向はデータと手続きをひとかたまりにすることでデータを外から守るというコンセプトを打ち出した。 ここから、「手続き型プログラミングで書いてるのに手続きが十分に抽象化されていないのはヤバいね」とか「オブジェクト指向で書いてるのにひとかたまりじゃない雑多なデータに関心をもっちゃってるのはヤバいね」などの設計指針を導くことができるのである。そして純粋関数型言語の場合は……という話です。 はじめに プログラミング言語にはいろいろなパラダイムがあるが、その中で手続き型プログラミング、オブジェクト指向、純粋関数型言語について、わたしなりのひとつの史観を示すのがこの稿の目的である。となんかかっこつけて言ってみたんだけど、要するに、それぞれのパラダイムがどん
意外と知られていない構造化プログラミング、あるいは構造化プログラミングはデータも手続きと一緒に抽象化する、あるいはストロヴストルップのオブジェクト指向プログラミング史観 書いた人: ると 猫型プログラミング言語史観(1) 〜あるいはオブジェクト指向における設計指針のひとつ〜という記事がありました。手続き型からの発展としてのオブジェクト指向という史観を書いた記事です。しかし、そこで次のように述べられている史観は少々単純化しすぎです。 手続き型プログラミングでは手続きを抽象化することで保守性を挙げることに成功したが、データを守ることには失敗してしまった。そこでオブジェクト指向はデータと手続きをひとかたまりにすることでデータを外から守るというコンセプトを打ち出した。 手続き型プログラミングの時代は、少なくとも思想的にはそこまで暗黒的ではありませんでしたし、「データと手続きをひとかたまりにする」の
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