岸田文雄首相は25日の衆院予算委員会で、政権の看板政策である「新しい資本主義」を巡って答弁した。株主利益の最大化を重視する経済政策に関して「株主資本主義からの転換は重要な考え方の一つだ」と述べた。「民間や市場、競争に任せるのではなく政治、政府の立場からも様々な環境整備をしていかなければならない」と語った。「従業員の所得の向上に効果がある政策を用意しなければいけない」と話し、賃上げ税制や公的価格
トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーが、期間従業員が期限を区切らない契約に切り替わるのを避けるよう、雇用ルールを変更したことが分かった。改正労働契約法で定められた無期への転換が本格化する来年4月を前に、すべての自動車大手が期間従業員の無期転換を免れることになる。雇用改善を促す法改正が「骨抜き」になりかねない状況だ。 2013年に施行された改正労働契約法で、期間従業員ら非正社員が同じ会社で通算5年を超えて働いた場合、本人が希望すれば無期に転換できる「5年ルール」が導入された。申し込みがあれば会社は拒めない。08年のリーマン・ショック後、大量の雇い止めが社会問題化したことから、長く働く労働者を無期雇用にするよう会社に促し、契約期間が終われば雇い止めされる可能性がある不安定な非正社員を減らす目的だった。施行から5年後の18年4月から無期に切り替わる非正社員が出てくる。 改正法には、企業側の
やしろ・なおひろ/経済企画庁、日本経済研究センター 理事長、国際基督教大学教授、昭和女子大学副学長等を経て現職。最近の著書に、「脱ポピュリズム国家」(日本経済新聞社)、「働き方改革の経済学」(日本評論社)、『シルバー民主主義』(中公新書)がある。 DOL特別レポート 内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。 バックナンバー一覧 過労死等の事故が増え、政府の「働き方改革」でも法律で定められた上限を超えた長時間残業を罰則付きで規制することでほぼ合意されている。しかし、ここで見落とされているのが、労働基準監督官の不足に象徴される、職場環境を守る監視体制のお粗末さだ。 労働法違反の摘発を進めるためには、一般企業への定期監督等の業務の一部を民間事業者に委託することで、悪質な企業への「臨検」(立ち入り検査)に力を入れられる
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