(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長) 台湾のジャーナリストとの対談 PHP研究所の主催で、『TSMC 世界を動かすヒミツ』(CCCメデイアハウス)という書籍を出版した台湾人ジャーナリストの林宏文(リン・ホンウェン)氏と4月24日、TSMCをテーマに対談を行った。 TSMCが微細化で世界最先端を独走しており、受託製造(ファウンドリー)の分野で世界シェア約60%を独占する巨大で偉大な半導体メーカーであることについては、議論の余地はない。 そして、TSMCがそのような地位に上り詰める過程において、林氏は著書の中で、「0.13μmにおいてCu配線で成功したこと」、および「28nmで世界市場の8割を独占したこと」など、重要なターニングポイントがあったことを挙げている。 筆者も、上記については賛同する。ただし、これら2つの出来事については、もう少し深い事情がある。実際は、TSMC