ホームインタビュー 【特別座談会】『FGO』奈須きのこ ×『Fate/EXTRA』新納一哉 ×『FF14』石川夏子 ― “人の心を狂わせる物語”の生み出し方を聞く 私は常日頃から、ゲームには「面白いシナリオ」が欲しいと思っています。 もちろん、ゲームはシナリオだけで成立するものではありません。音楽、ビジュアル、バトルシステム……どれを優先して作り上げるかは、そのゲームによって千差万別です。というか、千差万別であるべきです。 ただ、それでも……やっぱりゲームには面白いシナリオが欲しいのです。心から楽しめる物語が欲しい。その世界の人間を愛せる物語が欲しい。その世界がエンディングを迎えた時、「あぁ、このゲームが終わらなければいいのに」と惜別の念を抱けるような、そんな物語が欲しいのです。 そして、そう感じたタイトルのひとつが『FINAL FANTASY XlV』(以下、『FF14』)でした。MMO
原点たる『Fate/Stay Night』に始まり、今ではスマートフォンアプリ『Fate/Grand Order』も好評配信中のFateシリーズ。 人類史に名高い英雄を英霊(サーヴァント)として召喚し、マスターである魔術師と共に最後の一人になるまで争う「聖杯戦争」を主軸としており、魅力的なキャラクターが多数登場する事から人気を博しています。 ゲームだけでなく書籍作品も多く展開しており、コミカライズや小説なども出版されています。 神話や歴史を題材にしている事で有名ですが、その中でも今回紹介させて頂くのが三田誠先生による魔術ミステリー作品『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』です。 2019年には原作4~5巻に相当する『魔眼蒐集列車』がアニメ化され、2020年12月25日には続編である『ロード・エルメロイⅡ世の冒険』が刊行され、現在3巻まで発売されています。 本稿の筆者である私はFate、ひいては
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ホーム ニュース 『Fate/Grand Order』開発がディライトワークスからアニプレックス子会社へと移管へ。アニプレックスがディライトワークスのゲーム事業を買収 全記事ニュース
奈須きのこ TYPE-MOON所属のシナリオライター・小説家。現在『Fate/Grand Order』にて全体構成・シナリオ・総監督を兼任している。 神谷盛治 ヴァニラウェア有限会社代表取締役社長。ゲームデザインワーク、シナリオ、ディレクションなどを幅広く手掛けている。 15年という長い年月の間に目まぐるしく変化してきたゲーム業界。技術や環境が変わりゆくなかで、真摯にゲーム制作の最前線に立ち、数多くのユーザーを魅了し続けてきた2人が「ゲームの面白さとは何か?」というテーマを中心に熱く語り合う。「TYPE-MOON展」の「図録」に収録されているこのスペシャル対談の序盤を、TYPE-MOONさんのご許可を頂き、ここで特別公開します! ――奈須さんがヴァニラウェアの大ファンというのは、TYPE-MOONファンなら知るところです。奈須さんと神谷さんは、これまで面識はあるのですか? 奈須:初めてお会
「濃度100%の奈須きのこ」に出遭った衝撃。 まず、『月姫リメイク』をプレイし始めたとき、私は奈須きのこ氏のその特徴的な文体に些かの抵抗を覚えたことをここに告白したい。尤も、彼の文章を読むのは別に『月姫』が初めてという訳ではなかった。 もともとノベルゲームは嫌いではなく、チュンソフトから発売された『428 〜封鎖された渋谷で〜』の「カナン編」などで、奈須きのこ氏の文体に触れたことはあった。 (画像はAmazon | 【PS4】428 封鎖された渋谷で | ゲームソフトより) しかし、『月姫リメイク』での奈須きのこ氏は、まさに水を得た魚のように──TYPE-MOONが彼にとっての水槽で、その中を自由闊達に泳ぐ魚のように──生き生きとしたレトリックを駆使していた。 ダッシュ記号とダブルクォーテーションの連発、意図的に読み方を変えたルビ、主人公である遠野志貴のあまりにも(良い意味で)中二病感溢れ
TYPE-MOON創立メンバーのひとりで、シナリオライター、小説家。同ブランドのタイトルで多数のシナリオを手掛けている。『FGO』では作品全体の監督作業のほか、運営にも深く携わっている。 ――6周年おめでとうございます。まずはこの1年を振り返っていただけないでしょうか。 奈須決意を新たにゲーム作りに臨んだ1年でした。昨年から「2021年はもっとハードな年になる」と誰もが予感していたと思います。そんな中で娯楽作品を提供するのなら、苦しい時間に立ち向かえるもの、その助けになれるものを作っていこう、と。『月姫』(※1)リメイクも、『FGO』の第2部 第6章も、そんな気持ちで制作にあたりました。できる限り、持てる力をすべて注ぎ込んだつもりです。 武内コロナ禍で世の中の状況が激変したことは、やはり大きかったですね。『FGO』では、第2部を構想した当初から第6章でブリテンを舞台に“円卓”を扱うことは決
「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」開発者インタビュー。フランスパンのなりたのぶや氏と芹沢鴨音氏に,10年越しの思いを聞いた 編集部:touge 編集部:T田 カメラマン:佐々木秀二 12→ 対戦格闘ゲーム「MELTY BLOOD」シリーズの最新作「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」(PC / PS4 / Xbox One / Switch,以下,TYPE LUMINA)がディライトワークスから2021年9月30日に発売された。 フランスパンが開発を手がける本作は,8月26日に発売されたTYPE-MOONのノベルゲーム「月姫 -A piece of blue glass moon-」(PS4 / Switch,以下,月姫R)の世界観をベースにした対戦格闘ゲームだ。 いわゆる原作付きの“キャラゲー”の側面を持ちながらも,原作を手がけるTYPE-MOONと,格闘
アニプレックスは9月24日、『月姫 -A piece of blue glass moon-』のパッケージ出荷およびダウンロード販売の累計本数が、24万本を突破したと発表した。発表にあわせて、TYPE-MOONの奈須きのこ氏によるメッセージも公開されている。 『月姫 -A piece of blue glass moon-』は、2008年に「月姫リメイク」として発表された、伝奇ビジュアルノベル『月姫』のリメイク版である。『月姫 -A piece of blue glass moon-』では、アルクェイドとシエルのシナリオを収録。奈須きのこ氏により再構築された文章と、美麗なグラフィックと没入感を高める演出によって、新たな『月姫』の世界が描かれる。PlayStation 4/Nintendo Switch向けソフトとして2021年8月26日に発売。発表以来、10年以上に渡ってファンから待ち望ま
Project LUMINAが2021年9月30日に発売予定のPS4/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」。本作の開発を担当するフランスパンのなりたのぶや氏、芹沢鴨音氏へのインタビューをお届けする。 「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」は、TYPE-MOONが2021年8月26日に発売した長編伝奇ビジュアルノベル「月姫 -A piece of blue glass moon-」の世界観をベースとした対戦格闘ゲーム。従来の「MELTY BLOOD」シリーズの特徴を受け継ぎながら、キャラクターデザイン、ゲームシステムなどを一新。現在の環境にあわせて一から制作される待望の「MELTY BLOOD」最新作だ。 9月30日の発売が迫る中、本作の開発を手掛けるフランスパンのなりたのぶや氏、芹沢鴨
今甦る真月譚,新生「月姫R」クリエイターインタビュー。奈須きのこ&BLACK両氏が語る世界の裏側,そしてこれから 編集部:touge ライター:菅(Suge) 123→ 「月姫」新生――。 Fateシリーズをはじめ,TYPE-MOON作品に魅せられた多くのファンが待ち望んだリメイク作「月姫 -A piece of blue glass moon-」(PS4 / Switch,以下,月姫R)が,2021年8月26日に発売された。 伝説の同人ソフトとして名を馳せ,数多くのフォロワーを生み出した伝奇ノベルゲーム「月姫」。20余年の時を経て,その物語を現代に甦らせた本作は,ファンの期待に応えるクオリティだと反響を呼んでいる。 本稿ではその作品世界にさらに深く踏み込むべく,シナリオを手がけた奈須きのこ氏へのインタビューをお届けする。またインタビューの後半では,スクリプトを担当したBLACK氏にも同席
待ちに待った「月姫」リメイクは,懐かしさと新たな衝撃が同居する,原作を知るファンにこそ触ってほしい作品だ 編集部:Nobu TYPE-MOONの伝奇アドベンチャーゲーム「月姫 -A piece of blue glass moon-」(PS4 / Nintendo Switch)が2021年8月26日に発売された。本作は,いわゆるビジュアルノベルと呼ばれる,選択肢を選びつつ読み進めるタイプのアドベンチャーゲームだ。2000年のコミックマーケット59で配布された同人ゲーム「月姫」(以下,原作)をリメイクし,2010年代の東京都内が舞台に設定されるなど,時代に合わせて原作者の奈須きのこ氏本人の手で物語が分解/再構築された,TYPE-MOONの原点にして,最新の“月姫”である。 このリメイクが発表されたのは2008年,実に13年前のことだ。それ以降,ときおり続報は出るものの,本当に発売されるのか
格の違う演出と、こうあるべきと思われられるルート分岐 まず初めに、この記事では物語のネタバレが多分に含まれています。 「クリアした人向け」のnoteです。 公式のアナウンスする「発売後2週間・9月8日までのネタバレ禁止」期間が終了したので公開していますが、それとは関係無しに、「これからプレイする可能性が1%でもある方」というか、「未プレイ・未クリアの方」はこのままページを閉じて月姫リメイクを買ってください。そして、クリアしてからまた来てください。 ネタバレで先に物語を知ってしまうのは、とんでもなく損です。 端的に言えば、とんでもない名作です。買って損はありません。 クリア済みの方のみ、以降の文章を読んでいただければと思います。 名前だけしか知らなかった「月姫」過去、名作と呼ばれる同人ゲームは多々あれど、あまりその道を通ってきていませんでした。そのため、月姫も名前くらいしかしりませんでした。
奈須氏らとともにTYPE-MOONを結成。現在は代表として同ブランドを支えながら、数々の作品でイラストも手掛ける。『月姫 -A pieceof blue glass moon-』ではキャラクターデザイン・原画を担当している。(文中は武内) リメイク版『月姫』でも“おまけコーナー”は欠かせない ――『月姫 -A piece of blue glass moon-』(以下、リメイク版『月姫』)がついに発売を迎えました。現在の感想をお聞かせください。 武内いまは、リメイク版『月姫』がようやく皆さんに遊んでいただける形になったという安心感でいっぱいです。いままではリリース直前に「完成したぜ!」と喜んでいたのですが、今回はいつもと違い、PC版を作った後に、それをNintendo Switchとプレイステーション4に移植するという流れで開発を行いました。PC版は昨年の年末にはメインパートが完成していた
師匠の妻と密通した上、その師匠を殺す。時の権力者の暗殺を企てる。強力な呪術を使い、都を滅ぼそうとする-。これらは全て、物語で描かれてきた平安時代の陰陽師(おんみょうじ)、蘆屋道満(あしやどうまん)なる人物の所業だ。「悪逆非道」「卑劣」のイメージが、ぴたりと当てはまる。そんな道満が、近年は若者の人気を集め、「推しキャラ」になっているという。 ■長身の美形キャラ 白と黒のモノトーンの長髪に、切れ長の目。片肌脱ぎの僧衣から、たくましい上腕がのぞく。名前から想像した古めかしいイメージとは正反対。インターネットで「蘆屋道満」を検索すると、長身で美形のキャラクターのイラストが、次々と現れた。 スマートフォンのゲーム「Fate/Grand Order(フェイト グランドオーダー、略称・FGO)」に登場するキャラだ。若者に人気なのは、このゲームの影響だった。 広報を担当するディライトワークス(東京)による
偶然電車に乗り合わせた縁から、 志貴は学校の人気者シエル先輩と 急速に距離を縮めていく。 親友の有彦、新任教師のノエルも交え、 賑やかに過ぎて行く夢のような日々――― しかし、それも長くは続かなかった。 突如として湧き上がる殺人の衝動。 自ら引き起こした惨劇が 志貴を絶望の淵へと引きずり込む。 そんな志貴の前に差し出されたのは、 一本の傘と温かな言葉――― 彼の心を救ったのは、 誰あろうシエルだった。 幼い頃、事故によって大怪我を負った遠野志貴。 追いやられるように遠縁に預けられ、 穏やかな日常を送っていた彼の元に、 父・槙久の訃報が届く。 実家に呼び戻された彼を待っていたものは、 父から当主の座を受け継いだ妹の秋葉、 そして二人のメイドだった。 新たに始まる遠野家の長男としての生活。 古くからの因習を受け継ぐ一族。 自分とは釣り合わない豪邸での暮らし。 過去の風景に記憶の断片を呼び起こさ
週刊ファミ通『FGO』5周年記念特集号の購入はこちら (Amazon.co.jp) 第2部 第5章は当初から大きな山場になる予定だった ――『FGO』が5周年を迎えたお気持ちは? 武内運営型のタイトルということもあって、「もう5周年か」という気持ちと、「まだ5年か」みたいな気持ちが混在していますね。周年を迎えるたびにそう感じています。 奈須自分の場合、周年というよりは「ここまできた」という区切りを感じます。 第2部が始まったときに、オリュンポス編までいけばゴールが見えるとわかっていたので。そこに到達したいまは「さぁ、ここからだぞ」という気持ちが強いです。 ――昨年夏の4周年から1年間で、 おふたりがとくに心掛けてきたことはありますか? 奈須メインストーリーは作品全体のためにあるものですが、イベントはユーザーさんに毎月楽しい思いをしてもらうために作るものだと思っています。とくに夏イベントは、
スマートフォン向けゲームの歴史をふり返ると、いくつかのエポックメイキングな作品があるわけだが、その中でも『チェインクロニクル』(以下、チェンクロ)は、スマートフォンRPGのフォーマットを作り上げた先駆的な作品として知られる。 後に続く『グランブルーファンタジー』や『Fate/Grand Order』(以下、FGO)などといった大ヒット作の下地を作ったタイトルであり、今日のスマートフォンゲームにおける一大ジャンルを築き上げたといっても過言ではない。 『チェインクロニクル』第4部キービジュアル 本作の凄かったところは、いまや当たり前となっているキャラクターに紐付くシナリオ構造や、章立て&イベント単位のストーリー構成など、数々の仕組みを発明した点にある。 ややもすれば無機質と言える世界観や物語が多かったそれまでのソーシャルゲーム(スマートフォンゲーム)という分野に、重厚な世界観やストーリー、魅力
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