電子ゲームを始めるとタイトル画面が現れ、”Press Start Button”と言われる。その通りに押すとゲームが始まる。さて、この工程は一体何の為に存在するのか? これが必修科目でない事は自明である。起動したらいきなり”Campaign”とか”Continue”の選択肢が出て来たって構わないのである。実際そうしているゲームは少なくない。 「ゲーム業界の大半が前例を繰り返す阿呆だから」と結論付ければこの記事は終わるのだが、もう少し発展性のある仮説を立ててみよう。実はこの「スタートボタンを押す」という工程はチュートリアルの役目を果たしているのだ。 ゲームを起動するのはゲームで遊びたいからである。そして「スタートを押すと始まります」と言われてその通り押す。この時点でプレイヤーは、ゲーム=命令者、プレイヤー=遂行者という関係性を自明の前提として受け入れているのである。 それゆえ王女を救出しろと