トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と5月までに会談するとの電撃的な発表は、日本政府にとって「寝耳に水」だった。 安倍晋三首相は発表直前に大統領と電話会談し、日米の結束をアピールしたが、政府内では日本だけが置き去りにされかねないとの懸念も出ている。 「グッドニュースがある」。大統領が首相に報告を始めたのは日本時間の9日午前9時前。ホワイトハウスを訪れた韓国政府高官が大統領の意向を記者団に明らかにするわずか20分前だった。首相は「北朝鮮の変化を評価する」と応じたが、日本政府が評価を保留してきたことを考えれば、慌てて足並みをそろえた印象は否めない。 日本政府は「ほほ笑み外交に目を奪われるな」と慎重な対応を米国に促してきた経緯がある。外務省高官は米朝首脳会談への大統領の意欲について「事前に伝えられていた」と強がったが、少なくとも9日の発表や5月の期限設定が、日本政府にとって想定外だっ
2018年に入って、北朝鮮が韓国にラブコールを送り始めた。韓国もこれに呼応する動きを見せている。動きは急だ。 金正恩朝鮮労働党委員長は、1月1日の新年の辞で、平昌五輪について、「代表団の派遣も十分に可能だ」と発言。 2日、韓国の趙明均(チョミョンギュン)統一相が、9日に板門店の韓国側施設「平和の家」で南北高位級当局者協議を開くことを提案したと発表。 5日午前には、韓国政府は、南北の高位級会談開催を北朝鮮が受け入れ、1月9日におよそ2年ぶりに南北による会談が開かれることを発表。 1日の新年の辞で金正恩氏は、米韓合同軍事演習の中止を求めたが、これについても、韓国は米側に五輪後まで延期することを提案し、トランプ大統領もこれを受け入れたことから、韓国国内では対話ムードが一段と高まっているという。 もちろん、北朝鮮のこうした行動がどこまで本気なのかはわからない。これまでの行動からは、単なる時間稼ぎと
10月1日、米国ネバダ州ラスベガスでカントリー・ミュージックの演奏が行われていた会場に向けて銃が乱射され、59人が死亡する米国史上最悪の乱射事件となりました。 警官隊との銃撃戦の末に自殺したスティーブン・パドック容疑者は不動産投資に成功した資産家で、政治的・宗教的な動機があったとは確認されていません。そのため、「イスラーム国」(IS)が犯行声明を出しているものの、米当局はこれに懐疑的です。 その一方で、犯行現場となったホテルや自宅から40丁以上の銃器が押収されていた他、殺傷能力を高めるための改造も行われていたことから、銃器の愛好家だったことは間違いないようです。 事件を受けてトランプ大統領は「まぎれもない悪の所業」と非難し、国民に結束を呼び掛けました。一方、「銃規制については時がきたら議論する」とも述べ、銃器の取り締まりには慎重な立場です。 米国の銃規制の問題は、世界全体にとっても小さくな
年内に、5割以上の確率で… ついにトランプ大統領が、ルビコン河を渡ってしまった。9月19日の国連総会演説によって、北朝鮮の対米開戦意識に点火してしまったからだ。このまま行けば、おそらく今年の年末には、5割以上の確率で、米朝開戦となるだろう。いよいよ1962年のキューバ危機のような状況になってきた。 それにもかかわらず、安倍晋三首相は25日、記者会見を開いて、衆議院の解散と、10月22日投開票の総選挙を発表した。 その晩、いくつかの中国メディアの知人から、電話が入った。選挙のたびにコメントを求められたりするので、その類いかと思ったら、そうではない。彼らの話はこうだ。 「安倍首相は、21日にもトランプ大統領と首脳会談を行っていて、トランプ大統領と蜜月関係を築いている。その安倍首相が、1ヵ月もかけて総選挙を行うのだから、アメリカによる早期の北朝鮮空爆はないと考えてよいのか?」 私は、「そんなこと
国連演説でも北朝鮮危機を煽りまくった安倍首相に、NYタイムズコメント欄でも批判殺到! 戦争ゲームに興じる子どもみたい この男は、本気で日本を戦争に引きずりこもうとしている──。米ニューヨークの国連総会での安倍首相の演説は、真に戦慄させるものだった。 日本時間21日午前3時すぎから約17分間壇上に立った安倍首相は、はじめに「私の討論はただ一点、北朝鮮に関して集中せざるをえません」と宣言すると、持ち時間のほとんどを北朝鮮への非難に費やしたが、そのなかで「必要なのは対話ではない。圧力なのです」と何度も強調。あまつさえ、トランプ米大統領が前日の演説で「米国と同盟国を守ることを迫られれば北朝鮮を完全に破壊する以外の選択はない」と大規模軍事攻撃を示唆したことを念頭に、「全ての選択肢はテーブルの上にあるという米国の立場を一貫して支持します」とまで明言してしまった。 これまで、日本政府は北朝鮮については「
北朝鮮が9月3日に実施した6回目の核実験は、米本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)に搭載可能な核弾頭が完成間近だということを証明した。核実験にともなう地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.3で、前回2016年9月の核実験と比べて約10倍以上のエネルギーがあった。 北朝鮮の「滅びのホテル」がいよいよオープン間近? 今回の核実験で、アメリカの力は相対的に弱まりこそすれ強まることはないだろう。だからこそ、ドナルド・トランプ米政権の対応がますます重要になる。 考えられる今後のシナリオを見てみよう。 ■戦争 もしアメリカが北朝鮮との戦争に踏み切れば、周辺地域で数百万人の死者が出る恐れがある。 ジェームズ・マティス米国防長官は3日、アメリカは「大規模な軍事行動で対処する」と語り、北朝鮮を牽制した。このようなトランプ政権の勇まし過ぎる発言は、北東アジア地域でのアメリカの地位を逆に低下させている。
韓国では26日に北朝鮮が発射した飛翔体を当初「発射砲(ロケット)」とし、「弾道ミサイル」と発表した米国の見解と異例的に食い違ったが、28日には修正。韓国内では、「対話路線を固持する文在寅政権はロケットにしたかったのだろう」などと揶揄されたが、そんな軽口も一気に吹っ飛んだ格好だ。 「これは始まりに過ぎません。これから北朝鮮は数回ICBMの発射実験をし、核実験も行う可能性が高く、トランプ大統領は重大な決断を促される」と警鐘を鳴らすのは、韓国の中央日報軍事安保研究所の金珉奭(キム・ミンソク)所長だ。金珉奭所長は韓国国防研究院の先任研究員から中央日報の軍事専門記者に転じ、2010年には国防省のスポークスマンに抜擢され、5年3カ月務めた。研究員時代の1989年には国防省の要請を受けて米日韓で初めて北朝鮮の核の能力を工学的に研究したことでも知られる。 金珉奭所長に今後の北朝鮮情勢について聞いた。 ◆◆
「米国を攻撃なら戦争」「グアム着弾なら戦争」。15日付夕刊各紙に、こんな見出しが躍った。アメリカのマティス国防長官が国防総省で記者団に述べたのだという。 金正恩氏がグアムへの発射作戦の実行部隊を視察 それ自体は特段驚くべきことではない。国連憲章2条4項で「武力行使」が一般的に違法とされる中で、自衛権の発動はその例外と認められている。 明確な「攻撃」や「グアム島への着弾」予測は、発動要件としては文句なしだ。マティス国防長官は、北朝鮮からミサイルが発射されたら瞬時に(within moments)グアムに向かってくる(towards Guam)のかどうか判るし、私たちアメリカ=グアム島を狙って打ったのなら迎撃するし、それは戦争だ(That's called war, if they shoot at us)と語っている。 では、着弾がグアム沖30~40kmのエリアであればどうなのか? その場
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