「小論文の道具箱 カテゴリー」のいくつかの記事では、表現はいろいろだけれど、自分なりの偏りを大切にしろ*1とか好きな書き手さんならどう考えるかを思い浮かべながら問題に向かえ*2とか云ってきた。とりあえずは借り物であっても構わないのだけれど、自分なりの価値観なり世界観なりみたいなものを持っていたほうが、考えるべき問題点や議論の緒(いとぐち)がずっと掴みやすくなるという至って実用的な理由からだ*3。 ところが、とりあえずの借り物であるにせよ、そういう「観」を見つけられないという受験生は結構多い。そういう人にお薦めなのが、国語屋稼業先生のブログの「中高生のための内田樹(さま)」カテゴリーの記事だ。内田 樹(たつる)の文章からの抜粋に簡単な読解問題がついてくる、それだけのシンプルな構成がいい。 理由は2つ。第一に内田 樹という著者の人選。「与太」常連さんの中にはこの人選が気に喰わない方もいらっしゃ