脳科学の視点で、人の行動や心理を読み解き、テレビ番組でも活躍する中野信子さん。東京大学理科二類に現役合格した自身の経験も踏まえ、貧しさや、あがり症であることは、受験に不利とも限らないといいます。 ◇ 中学で「学歴つけよう」 中学時代は周囲の人とのコミュニケーションに苦手意識が強く、将来、就職して社会人としてやっていくことに不安がありました。どうやったらコミュニケーション力をつけられるのか、授業でもやりませんし、教科書もない。素で勝負するには力不足の自分に自信が持てず、手っ取り早いのは学歴をつけることだと考えました。理系を選んだのは、一般の人の振る舞いを知って合わせるためにも、人間の研究をしたいと考えたからです。 家は裕福ではなかったので、お金をかけた勉強法を選ぶことにはためらいがありました。このことは、受験勉強にはプラスに働きました。塾には極力通わず、参考書や問題集を買うのも最小限に済ませ