●専門家は「最初からムリ」 「責任者出てこい!」ではないか。福島第1原発で汚染水の浄化装置がトラブル続きだ。仏アレバの除去装置は稼働後、わずか5時間でダウンしたし、米キュリオン社製は、汚染水処理が想定の20分の1しかないことがわかり、またドタバタ。汚染水を浄化し「循環注水システム」を稼動させることは原発安定化の肝だ。ここがうまくいかなければ、汚染水があふれてしまう。「水棺」方式が失敗し、「循環注水システム」もダメなら、工程表は完全破綻なのだが、専門家の多くは「もともと循環注水方式には無理がある」と指摘する。 なにしろ、10万トンを超える高濃度汚染水を浄化するなんて世界でも経験がないのに、複雑怪奇なシステムで、440基のタンク、4キロメートルの配管をつなぎ合わせるのである。浄化装置は東芝製が油分を除去し、米キュリオン社製がセシウムを除去、仏アレバ社のシステムが撹拌(かくはん)、沈殿させ、