外来種の黒い二枚貝にびっしり覆われたくい=7月25日、観察会があった東京湾の京浜運河、山本写す 日本に侵入した外国原産の海の生物は少なくとも76種にのぼり、このうち37種は完全に定着していることが、岩崎敬二・奈良大教授(動物生態学)らの調査で判明した。国際自然保護連合(IUCN)が「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定したムラサキイガイも含まれる。だが、カニの一部を除き、法規制の対象となる「特定外来生物」に入っておらず対策が遅れている。外来種は貴重な生態系を破壊する恐れがある。 調査は、日本の沿岸海域などに侵入し、論文で報告された外来種が対象。100人を超す研究者が協力し、7年かけてデータをまとめた。76種に加え、さらに20種以上が追加される可能性がある。 外国から日本の海に入り込む外来生物の種数は60年代以降に急増、毎年約1.3種のペースで増え続けている。分類別ではカニ