高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について日本原子力研究開発機構は16日、すべての試験を終えて本格運転に入る時期を、12年度末から13年度内に延期すると発表した。原子炉容器内で今年8月、炉内中継装置(重さ3・3トン)が落下したトラブル対応のため。同日、西川一誠福井県知事が高木義明文部科学相、大畠章宏経済産業相と東京都内で協議し、延期を合意した。95年12月のナトリウム漏れ事故で運転を停止し、今年5月、14年半ぶりに運転を再開したもんじゅだが、再度のトラブルに、運転再開を危ぶむ声もある。【酒造唯、安藤大介、関東晋慈】 16日の三者協議で西川知事は「(福井県民の不安を)簡単に考えるべきではない」と訴えた。95年のナトリウム漏れ事故から今月8日で15年。西川知事は「万一、ナトリウム漏れ事故のようなことがあれば、もんじゅそのものの存立さえ難しくなる」と、厳しい口調で国に対応を迫った。 事故