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ブックマーク / note.com/violence_ruin (1)

  • 丑の刻の平安京に羅城門が顕現し、下人が侍を鞭で打ちしこと|暴力と破滅の運び手|note

    今は昔、さる山中を根城とする盗賊の砦に、のちに都で下人をすることになる子供がいた。砦に囲われた女たちの一人が産んだ男の子だった。子供は口減らしのために棄てる決まりだったが、時々首領が気まぐれを起こして育てさせることもあった。それで、下人にとって女たちは母たちでもあった。 母たちは下人をかわいがった。乳をやり、口々にことばを与えた。 お前の当の母さんは死んじゃってね。産んですぐ後にね。かわいそうにね。 下人には「当の母さん」という言葉の意味するところがわからなかった。母はつねに複数いた。赤ん坊は横で頭を潰されて死んでいった。生かされた兄弟たちは、自分と同様に母たちに可愛がられていた。 盗賊たちは街道を通る商人や役人の一行を襲い、身ぐるみを剥いだ。男は報復を防ぐため皆殺しにした。女は裸のまま逃したり、時には何人かさらってきて元からいた女を代わりに捨てたりした。母たちの顔ぶれは入れ替わった。

    丑の刻の平安京に羅城門が顕現し、下人が侍を鞭で打ちしこと|暴力と破滅の運び手|note
    adramine
    adramine 2020/05/30
    羅生門をこうするか……。スゴいな。
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