全国の小学校から大学までが学校休業に追い込まれる中、学びを保障する手段として遠隔教育が脚光を浴びた。それを後押しするため、文部科学省はGIGAスクール構想の前倒しを決定。追加の支援措置も講じた。未曾有の危機に直面した学校教育をICTの力で救えるのか。教育行政を率いる萩生田大臣に聞いた。(聞き手: 江口 悦弘=日経パソコン編集長) ──小中高等学校のICT環境整備は、コロナ禍が起爆剤になる形で加速しましたが、それ以前はなかなか進んでいませんでした。 我が国の教育におけるICT活用は大きく世界の後塵を拝しており、その基盤となる学校ICT環境の整備も遅れています。では、国は何もしていなかったかというと、そうではありません。27年前から学校のICT化に力を入れ、地方財政措置もしてきました。 それでもICT環境整備が進まなかった背景には、首長のみなさんも「学校現場のICT化を急ぐ必要あるのか」という