<日本にいま必要なのは、ただ訪日観光客を増やすことでも、日本人の高所得者を増やすことでもない。世界人口の1%未満に過ぎない「超富裕層」の取り込みこそが必要だ。だが、今のままでは彼らは日本にやって来ない> 日本政府観光局(JNTO)の発表によると、今年5月の訪日外国人数(推計値)は267万5000人。前年同月比16.6%増で、5月としての過去最高を記録した。中国(29.3%増)や韓国(14.6%増)のほか、ヨーロッパ各国やアメリカ、オーストラリアからの訪問者数も前年比2ケタ増を記録するという好調ぶりだった。 政府は2030年に訪日外国人観光客を6000万人とすることを目標に掲げ、近年、さまざまな取り組みを進めてきた。人口減少・少子高齢化に直面する中、観光産業には経済の牽引役として大きな期待が掛かっているからだ。その数字は着実に伸びてきており、成果が出ているように見える。 しかし、このままでは