壮大な祈りの世界。中国で80万人を動員した 「醍醐寺展」がサントリー美術館で開幕真言密教の拠点のひとつとして、歴史の表舞台で重要な役割を果たしてきた京都・醍醐寺。平安時代から近世に至る醍醐寺の歴史と美術をたどる「京都・醍醐寺展 ー真言密教の宇宙ー」展が、東京・六本木のサントリー美術館で9月19日よりスタート。その内容をレポートで紹介する。 9世紀の終わりに、理源大師聖宝(りげんだいししょうぼう)によって開かれた京都・醍醐寺。真言宗醍醐派の総本山で、世界遺産でもある同所では、国宝、重要文化財をはじめ数多くの文書や宝物が守り続けられてきた。 東京・六本木のサントリー美術館で行われる「京都・醍醐寺展 ー真言密教の宇宙ー」展は、同寺所蔵の仏像や仏画を中心に選りすぐりの約100点を展示。4章にわたって濃密な密教美術の世界を紹介するとともに、普段は非公開の貴重な史料や書跡を通して、平安時代から近世にい