100台のメトロノームが演奏する一風変わった「音」の演出が23日、ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)で開かれる東京交響楽団のコンサートで披露される。担当者は「私たちが知っている『音楽』とは全く違う作品を楽しんでください」と話している。 メトロノーム100台だけで奏でるのは、ハンガリー出身の作曲家、ジェルジ・リゲティ氏(1923~2006年)が1962年に作曲した「ポエム・サンフォニック」。 ばらばらの速度に設定された100台が一斉に鳴り出し、徐々に鳴っている台数が減っていき、最後の1台が鳴り終えるまでを30分強かけて聞かせる。翌63年にオランダで初演された際にはあまりに前衛的すぎて、オランダの放送局が中継を途中で取りやめた逸話も残っているという。 コンサートでは、メトロノームの演奏が終わった後、J・S・バッハの「甘き死よ来たれ」やR・シュトラウスの「ブルレスケ」などが演奏される。