ブラジルはアマゾンの水力を利用した水力発電ダムの建設ラッシュの先鋒となっている。2012年にマデイラ川に建設されたジラウ・ダムもそのひとつだ。(PHOTOGRAPH BY NOAH FRIEDMAN-RUDOVSKY, THE NEW YORK TIMES/REDUX) 先住民アシャニンカの指導者であるルス・ブエンディア氏は、アマゾンのエネ川に建設が計画されていた水力発電ダムによって多くの先住民が立ち退きを迫られると知らされたとき、建設に断固反対する決意をした。ただでさえ、政情不安により住民たちの生活は混乱しているというのに、その上立ち退きを要求されれば、ブエンディア氏の家族を含め多くの人々がさらなる困難を強いられることになる。 川沿いにあるペルーの地域社会の指導者の間では、建設計画の是非をめぐって意見が対立していた。賃金のよい工事の仕事が増えることを歓迎する人々もいたが、ブエンディア氏は