■何がMDAを殺したのか 期待されたわりにあっけなく消えてしまった技術用語は数多いが、そのひとつとして「モデル駆動アーキテクチャ(MDA,Model Driven Architecture)」を取り上げよう。ソフトウエアのあり方を「モデル」としてまとめ、これにもとづいて開発作業を合理化するための枠組みのことをいう。考え方としては昔からあったが、オブジェクト指向技術の標準化団体であるOMGによって2001年に体系化された。当時は注目されたものだが、今ではすっかり聞かれなくなった。 なぜか。MDAを実現させるための自由な発展を「UML」が邪魔したため――そう私はにらんでいる。 じっさいは、MDAにおいてUMLの利用が強制されているわけではない。しかし、なにしろOMGによって提唱された枠組みなので、UMLの利用が前提と理解されたのは自然の成り行きだった。ちょうどその頃は、この表記体系がソフトウエ