学校を卒業して会社員になる。今では当たり前のことが、その昔、当たり前ではなかった。サラリーマンという職業が生まれたのは、長い歴史から見ればつい最近のことだ。 場所に縛られ、時間に縛られ……とサラリーマンという職業を窮屈に感じている人もいるかもしれない。しかしサラリーマンの原型が最近できたことを知れば、もっと自由な発想で新しい働き方ができるかもしれない。 早稲田大学教授の原克(はらかつみ)さんを訪ね、話を聞いた。 原克(はら・かつみ) 早稲田大学教授 1954年生まれ。 立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程中退。85~87年、ボーフム・ルール大学客員研究員、2001~02年、ベルリン・フンボルト大学客員研究員。専門は表象文化論、ドイツ文学。19~20世紀の科学技術に関する表象分析を通じて、近代人の精神史、未来を志向する大衆の文化誌を考察・展開している。著書に『アップルパイ神話の時代