経済力の増大を背景に、中国の軍事費は毎年大きな伸びを見せている。安全保障の観点からみて、果たして中国は日本の脅威となったのか。防衛省防衛研究所・増田雅之主任研究官に、この40年間に生じた中国の変化を踏まえ、我が国はどう対応すべきなのかを聞く。 脅威とは意思と 能力の掛け算 ますだ まさゆき/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科単位取得。上海大学客員研究員、東京女子大学非常勤講師など経て、2010年から現職。専門は中国の外交・安全保障政策、アジア太平洋の安全保障。最近の著作に、『アジア太平洋の安全保障アーキテクチャ』(共著、日本評論社)、『中国 改革開放への転換』(共著、慶應義塾大学出版会)、『日中安全保障・防衛交流の歴史・現状・展望』(共著、亜紀書房)などがある。 ――日中国交正常化してから、40年がたちます。この間、中国の安全保障に対する姿勢はどう変化してきたのでしょうか。ズバリ言って