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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (20)

  • 読書メモ:『なぜ美を気にかけるのか :感性的生活からの哲学入門』&『近代美学入門』 - 道徳的動物日記

    なぜ美を気にかけるのか: 感性的生活からの哲学入門 作者:ドミニク・マカイヴァー・ロペス,ベンス・ナナイ,ニック・リグル 勁草書房 Amazon 『なぜ美を気にかけるのか』は美学の入門書でもあるが、そのなかでも「美的価値」や「美的感性」「美的生活」の問題を扱っており、「優れた芸術の定義とは何か」といったトピックではなくタイトル通り「なぜ美を気にかけるのか」という問題……なぜわたしたちは服や髪型のお洒落さ/ダサさや事の美味しさ/不味さを気にしたり、聴く音楽や視聴する動画について自分なりの選択を行おうとしたりしているか、といったトピックを扱っている。ここでいう「美」はかなり広い範囲の物事を指していること……「 "美"といえるのは素晴らしい芸術のみである」といったエリート主義を排して、どんな人でも日常的に様々なタイミングで様々な領域の「美」を気にかけている、というスタンスで各人が論じていること

    読書メモ:『なぜ美を気にかけるのか :感性的生活からの哲学入門』&『近代美学入門』 - 道徳的動物日記
  • 読書メモ:『多文化時代の市民権:マイノリティの権利と自由主義』 - 道徳的動物日記

    文化時代の市民権―マイノリティの権利と自由主義 作者:ウィル キムリッカ 晃洋書房 Amazon 読んだのは一ヶ月前なので、多少記憶から抜け落ちているところもある。 また、原初が出版されたのは1995年と約三十年前であり、書のテーマとなる民族的マイノリティや移民の問題は、その後に色々と状況が変わって問題はますます複雑になっている(とくに移民の問題は日でもあれこれ騒がれているところだ)。そいいった状況の変化に合わせながら、ウィル・キムリッカは書の後にも『土着語の政治』や『多文化主義のゆくえ』など、アップデートされた多文化主義論を出版し続けている。……とはいえ、どちらのもそれぞれ邦訳を読んできたが、キムリッカの基的な主張は書から変わってない*1。また、他の二冊は執筆当時の社会の状況をふまえた時事論的な要素が含まれているのに対して、『多文化時代の市民権』は政治哲学の理論書という側面

    読書メモ:『多文化時代の市民権:マイノリティの権利と自由主義』 - 道徳的動物日記
  • 読書メモ:『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』 - 道徳的動物日記

    ジェンダー格差-実証経済学は何を語るか (中公新書 2768) 作者:牧野 百恵 中央公論新社 Amazon 「ジェンダー格差」と「実証経済学」の組み合わせに惹かれたこと、そして中公新書というレーベルの信頼度から、発売日直後に購入。 他にも読んでいるはあるんだけれど発売直後のは早いとこ書評を書いたほうが宣伝にもなるものなので、読み終わった直後であるが簡単に感想を書いておく。 書はまさに副題通りの「経済学」のであり、著者も序章で「私はジェンダーの専門家ではありません」と明言している(p.ⅳ)。また、経済学は価値判断を下す学問ではなく、あくまで現実を分析して事実を明らかにするためのツールであるということが書では繰り返し指摘されている。これらの点は、書の長所であると同時に弱点にもなっているように思えた。 書の長所としては、近年の人文学的なジェンダー論者やフェミニストが「資主義的」

    読書メモ:『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』 - 道徳的動物日記
  • 「非モテ」は「モテないからつらい」、ではない?(読書メモ:『「非モテ」からはじめる男性学』) - 道徳的動物日記

    非モテ」からはじめる男性学 (集英社新書) 作者:西井開 集英社 Amazon 第一章で提示される、書のねらいは以下の通り。 ……登場してから二〇年以上もの間、「非モテ」論は主にネットを中心として議論と考察が繰り返されてきた。その蓄積に敬意を払うと同時に、私は「非モテ」論が限界に立たされているとも感じている。それは、これまで見てきた「非モテ」論の多くが「モテない」こと、つまり恋人がいないことや女性から好意を向けられないことが問題の核心であるという前提に立っているという点にある。 (…中略…) 果たして当に「非モテ」男性はモテないから苦しいのだろうか。時に暴力にまで走ってしまうほどの苦悩の説明を「モテない」という状況にだけ求めてしまっていいのだろうか。書で問おうとするのはここである。 ところで杉田[俊介]は『非モテの品格』の中で、性愛的挫折がトラウマのように残り続ける原因として、非正

    「非モテ」は「モテないからつらい」、ではない?(読書メモ:『「非モテ」からはじめる男性学』) - 道徳的動物日記
    muryan_tap3
    muryan_tap3 2022/02/04
    世間一般に蔓延る妄想的、偏執的偏見である女性が癒す・ケアする/させればいいという丸投げ体質が自身の悩みを直視せずにブラックボックスにして女性を得たらある程度解決するだろうっていう妄想を維持してると思う
  • 「弱者男性」でありたがることのなにが問題か - 道徳的動物日記

    gendai.ismedia.jp ↑ 「弱者男性論」に関するわたしの記事が講談社現代ビジネスに掲載されてからちょうど一ヶ月になるが、この記事をきっかけに「弱者男性論」が盛り上がったようで、SNSや個人ブログに匿名ダイアリーなどで、弱者男性について書かれた文章がいくつも登場することになった。 そのなかでも特に重要なのは、文春オンラインに掲載された杉田俊介さんの記事だろう。 bunshun.jp また、はてなブックマークでは以下のツイートに数百以上のブクマが付いている。 これはわたしの話ですけれども「モテないオトコの欲求不満の解消」に必要だったのは「オンナの再分配(!)」なんぞではなく長年にわたるセルフネグレクトを自覚し解消することでした。冷蔵庫を重曹で磨くと綺麗になってうれしいとか、自炊すると美味しいとか、そこに救いがありました。 — はまりー (@travis02130213) Apri

    「弱者男性」でありたがることのなにが問題か - 道徳的動物日記
    muryan_tap3
    muryan_tap3 2021/05/16
    弱者男性たちの「弱者感」は経済的社会的なある程度の成功でほとんど解消してしまうものだろうが、女性差別の「弱者性」は社会構造的な、社会的文化的な慣習に依るものだから解決の手法や志向は違うよね…
  • 「お気持ち」はいけないのか? - 道徳的動物日記

    davitrice.hatenadiary.jp 先日の記事でも書いたが、ケアの倫理やフェミニズム倫理などの「理性」より「感情」を重視する倫理学理論には根的に問題点があり、理論として破綻しているように思える。 しかし、「“理性的”を標榜する既存の倫理学理論によって“感情的”だと見なされて排除された事象や物事のなかにも大事なものがある」という問題意識は理解できなくもない。 また、「感情」を重視する倫理学理論がなぜケアやフェミニズムなどの“女性”的な要素と結び付きやすいかというと、西洋の哲学では古代ギリシアの頃から「理性=男性的/感情=女性的」という二項対立的な図式を作ったうえで前者を讃えて後者を貶める考え方が存在しており、それに対するカウンターとしてその二項対立の図式をひっくり返し、感情の重要性を強調したうえでそれを女性性と結び付ける、という流れがある。 これに関しては、これまでの私は「そ

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  • 「自殺」の思想史(読書メモ:『Stay: A History of Suicide and the Philosophies Against It』) - 道徳的動物日記

    Stay: A History of Suicide and the Philosophies Against It (English Edition) 作者:Jennifer Michael Hecht 出版社/メーカー: Yale University Press 発売日: 2013/11/01 メディア: Kindle版 このの副題の「自殺と、それに反対する哲学の歴史」が示す通り、自殺について西洋の伝承や哲学者や知識人たちはどのようなことを語ってきたか、という思想史を軸に展開するである。 このの序文では、著者の大学時代からの二人の友人が立て続けに自殺した出来事について語られている。友人たちが自殺した後、著者は自殺を考えている人たちが自殺を止めるように説得するエッセイをブログに掲載して、それが Boston Globe 誌にも掲載された*1。その後に過去の西洋の思想や自殺について

    「自殺」の思想史(読書メモ:『Stay: A History of Suicide and the Philosophies Against It』) - 道徳的動物日記
  • 読書メモ:『自殺の対人関係理論:予防・治療の実践マニュアル』 - 道徳的動物日記

    ※自殺について扱っている記事なので要注意 このの代表著者のトマス・ジョイナーは Why People Die by Suicide や Lonley at the Top の著者でもあり、このブログでもこれまでに何度か取り上げてきた*1。ジョイナーので邦訳が出ているのはいまのところこのだけであり、Why People Die by Suicide がエッセイや概説書としての要素が強く読みものとしても興味深かったのに比べると、こちらは副題から想定される通りカウンセラーなどの職の人が現場で使用するためのガチガチの実践書だ。そのため、読みものとしての面白さがあるわけではないのだが、ジョイナーの提唱する「自殺の対人関係理論」について再確認することができた。メモがてら、紹介しよう。 「自殺の対人関係理論」は、人に自殺願望をもたらす要因として負担感の知覚と所属感の減弱の二つを挙げる。そして、自

    読書メモ:『自殺の対人関係理論:予防・治療の実践マニュアル』 - 道徳的動物日記
  • 「男性同士のケア」が難しい理由 - 道徳的動物日記

    男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望― 作者:イヴ・K・セジウィック 発売日: 2001/02/20 メディア: 単行 近頃では、「これからは男性同士でもケアし合わなければならない」と言った主張がちらほらとされるようになっている。 この主張がされる文脈は様々だ。「これまでの社会は女性にケア役割を押し付けていたが、これからは男性も平等にケア役割を担うべきである」という問題意識に連なる主張である場合もあるだろう。 また、女性の恋人やがいないことで「女性からの承認」を得られないと悩んだり「孤独」になることを恐れる男性に対して、「そもそも"自分は異性のパートナーにケアしてもらうべきだ"という発想を捨てて、同性との相互にケアし合う関係を築く可能性に目を向けてみるべきだ」という批判込みのアドバイス的な意味合いで、「男性同士のケア」が提唱される場合もある。 そして、「マウントを取り合う」「

    「男性同士のケア」が難しい理由 - 道徳的動物日記
    muryan_tap3
    muryan_tap3 2020/11/11
    読み進めて腹立たしい気持ちしか残らなかった
  • 反出生主義についての雑感 - 道徳的動物日記

    Better Never to Have Been: The Harm Of Coming Into Existence 作者: David Benatar 出版社/メーカー: Oxford University Press, Usa 発売日: 2008/09/15 メディア: ペーパーバック 購入: 2人 クリック: 72回 この商品を含むブログ (1件) を見る 先日にペット動物と反出生主義についての論文を読んで内容を要約したメモを書いたところだが、せっかくの機会なので、反出生主義について自分が思うところをつらつらと書いてみよう。 反出生主義といえば基的には人間に対して当てはめられるものだ。「不幸な人生を歩ませることになる人間を生み出すべきではない」や、「人間の人生には何らかの苦痛や悲しみが必ず含まれる以上、人間を生み出すことは危害である」など。…しかし、人間を対象にした反出生主義に

    反出生主義についての雑感 - 道徳的動物日記
  • ジェンダー論が男性を救わない理由 - 道徳的動物日記

    Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success 作者: Thomas Joiner Ph.D. 出版社/メーカー: St. Martin's Press 発売日: 2011/10/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 思うところあって、トマス・ジョイナーの『Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success(てっぺんで一人ぼっち:男性の成功の高い代償)』を数年ぶりに読み返している。 2017年に、このの内容を紹介する記事を書いた*1。そのしばらく後には、社会学者の平山亮による「男性が自殺するのは支配欲が原因」発言を批判した*2。そして2019年には「有害な男らしさ」概念がフェミニズムやジェンダー論の文脈で流行するようになり、「有害な男らしさ」概念についての批判記事を

    ジェンダー論が男性を救わない理由 - 道徳的動物日記
    muryan_tap3
    muryan_tap3 2020/11/07
    頭から少しだけよんだ。ちょっと面白そうと思ったが読み進めたら違うのかな
  • 「トランプ支持者の白人労働者」について書かれた本をまとめて読んでみて… - 道徳的動物日記

    ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ 作者:J・D・ヴァンス 発売日: 2017/03/24 メディア: Kindle版 新たなマイノリティの誕生―声を奪われた白人労働者たち 作者:ジャスティン・ゲスト 発売日: 2019/05/31 メディア: 単行 壁の向こうの住人たち――アメリカの右派を覆う怒りと嘆き 作者:A.R.ホックシールド 発売日: 2018/10/26 メディア: 単行(ソフトカバー) アメリカを動かす『ホワイト・ワーキング・クラス』という人々 世界に吹き荒れるポピュリズムを支える“真・中間層”の実体 作者:ジョーン・C・ウィリアムズ 発売日: 2017/08/25 メディア: 単行 ↑ 世間ではブラック・ライヴズ・マターが話題だが、あえてこのご時世に、ひと昔前に邦訳された「トランプを支持した白人労働者の問題とはなにか、彼らはどんな特性や性質

    「トランプ支持者の白人労働者」について書かれた本をまとめて読んでみて… - 道徳的動物日記
  • 「動物はおかずだ」デモに関して(1) - 道徳的動物日記

    仕事の休憩時間に取り急ぎ書いた) 上記の記事に関して、まず気になったのは以下の箇所。 「しかし「動物はごはんじゃないデモ行進」は、自らが肉を忌避するだけでは飽き足らず、他者の権利や自由を否定し肉の撲滅を目論んでいる。」 「憎むべきは、ヴィーガンという生き方を選んだ人間ではない。他者の権利や自由を踏みにじる行為である。」 一般的に言って、ある社会で行われる権利運動とは「その社会で認められていない、ある属性のある種の権利を、認めさせるように要求する運動」と言えるだろう。 過去のアメリカで行われた奴隷制廃止運動であれば、奴隷とされている人々(黒人)が自由に生きる権利や財産を持つ権利などを要求させる運動であった。サフラジェット運動は女性の参政権を要求する運動であったし、「子どもが親から虐待されない権利」や「子どもの自己決定権」なども子どもの権利運動の結果として認められていったものだ。 そして、「

    「動物はおかずだ」デモに関して(1) - 道徳的動物日記
  • 「ブルジョワ文化」が失われたことがアメリカの社会問題の原因? - 道徳的動物日記

    www.philly.com 今回紹介するのは、Philly.comというサイトに掲載された、ペンシルヴァニア大学のロースクールの教授であるエイミー・ワックス(Amy Wax)とサンディエゴ大学法学部の特別教授であるラリー・アレクサンダー(Larry Alexander)による「ブルジョワ文化の破綻の代償(Paying the price for breakdown of the country's bourgeois culture)」という記事。 この記事の冒頭では、現代のアメリカに存在する様々な問題が羅列されている。仕事に就けるような資格を持っている人が少なすぎること、労働力年齢にある男性で実際に仕事に就いている人の割合は大恐慌時代並みの低水準であること、オピオイド系鎮痛剤中毒の蔓延、殺人や暴力犯罪の増加、婚姻していないカップルのもとに生まれたりシングルマザーによって育てられる子供の

    「ブルジョワ文化」が失われたことがアメリカの社会問題の原因? - 道徳的動物日記
  • 男性が自殺するのは「支配欲」が原因だって? - 道徳的動物日記

    wezz-y.com wezz-y.com 今日は、Wezzyというサイトに掲載された社会学者の平山亮のインタビューについて取り上げようと思う。タイトルからも察せる通り、男性が感じる社会的なプレッシャーや苦痛を問題として取り上げるタイプの「男性学」に対して平山は批判的なのであるが、インタビューを見ていると「男性学」への批判が行き過ぎている箇所や男性が感じるプレッシャー・苦痛についてあまりに無頓着で鈍感なのではないかと思わされる箇所が所々にある。引用しつつ反論したいと思う。 とりあえず、私が最も問題に思ったのは、【2】の3ページ目に掲載された以下の箇所。 ――(註:"男性学"学者の)田中俊之さんは『男がつらいよ』(KADOKAWA)の中で、日人男性の自殺率の高さを取り上げ、日の過剰労働を紐づけて「男の生きづらさ」だ、とまとめているように読めました。自殺するほど男は追い詰められているのだと

    男性が自殺するのは「支配欲」が原因だって? - 道徳的動物日記
    muryan_tap3
    muryan_tap3 2017/09/02
    失敗してる物事の収拾が必要な事態に陥ったとき、自分の面目が自分の周りの下位の人間より立たなくなった場合に逃げる、逃げて他者に収拾を押し付ける事で劣位を避けようという傾向が男性の方が濃いかなと思っている
  • 動物倫理・功利主義における「置き換え可能性」の議論 - 道徳的動物日記

    www.irishtimes.com 今回紹介するのは The Irish TImes というサイトに掲載された、功利主義系の倫理学者タティアナ・ヴィサクのインタビュー記事。ピーター・シンガーの『実践の倫理』などでも取り上げられている、動物や人間の生命の「置き換え可能性(replaceability, 代替可能性)」に関するヴィサクの主張について短くまとめられている。かなり抽象的な話題ではある。 「倫理的なステーキは存在するのか?」 動物の断片をべることがこれほどまでに一般的になっている社会、これほどまでに多くの人々が肉の生産に関わっている経済の下では、菜主義を擁護する主張を行うことは難しいかもしれない。 まず行われるであろう反対…「仕事を失う人たちのことはどうする?」「肉で摂っていた栄養はどう補う?」…を乗り越えたとしても、作物を栽培することの機会費用に関する、より細かい議論に直面

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  • 動物倫理とポストモダン思想 - 道徳的動物日記

    davitrice.hatenadiary.jp ゲイリー・シュタイナーの主張は以前にも人が書いた短い記事を訳して紹介したが、何しろ短かい記事だったのでシュタイナーの主張がわかりづらかったかもしれない。今回は、シュタイナーが著書『動物と、ポストモダニズムの限界』で行っている主張の要点を私なりに短くまとめて紹介しよう。 シュタイナーはポストモダニズム思想が動物倫理の問題について行っている主張を手厳しく批判している人である。『動物と、ポストモダニズムの限界』で特に批判の対象となっているのはジャック・デリダとデリダに影響された思想家たちだ。…で、私はデリダのをはじめとしてシュタイナーの批判対象となっている思想家たちのはほとんど読んだことがない。なので、シュタイナーの批判がアンフェアなものであるとしても私には判断できないし、シュタイナーの主張をまとめている(かつ、私の主張も結構入っている)こ

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  • ポストモダニズムとポリティカル・コレクトネス - 道徳的動物日記

    The Science of Liberty: Democracy, Reason, and the Laws of Nature 作者: Timothy Ferris 出版社/メーカー: Harper Perennial 発売日: 2011/02/08 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 先日から読み始めたティモシー・フェリス著『自由の科学(民主主義、理性、法の支配)』の第11章「学問的な反科学(Academic Antiscience)」を読んでいて考えたこと。 科学と民主主義はそのシステムも似ているし(データ/人々の投票の集合に基づいて、仮説/政策の正否を実験/実行によって確かめて、上手くいかなかった場合にはまた別の仮説を繰り返して…というシステム)、科学的な発想こそが自由民主主主義をもたらしたのであり、そして科学は自由民主主的な社会の下でしか発展しない、というの

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  • 民主主義を貶め右翼を蔓延させるポストモダニズム - 道徳的動物日記

    ネットサーフィンをしていたら見つけた、ヘレン・プラックローズ(Helen Pluckrose)という人文学者による、『How French “Intellectuals” Ruined the West: Postmodernism and Its Impact, Explained(フランス知識人はいかにして西洋を台無しにしたか:ポストモダニズムとその影響を解明する)』という記事について、軽く紹介しよう*1。 areomagazine.com この記事の前半にて、著者のプラックローズは主にジャン=フランソワ・リオタール、ミシェル・フーコー、ジャック・デリダの思想について、説明しながらポストモダニズムの思想に含まれる特徴について論じている。上記の論者に共通して挙げられるのが「すべての知識や認識は相対的で等価なものであり、科学的認識が他よりも客観的な認識であるとはいえない」「科学的で客観的な

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  • Google社員の「反多様性メモ」の内容は間違っていたのか? - 道徳的動物日記

    jp.reuters.com www.bbc.com やや時機を逸している感はあるが、今更ながら、Google社員のジェームス・ダモアが社内文書にて男女の生物学的性差などを論じながらGoogleの多様性制度を批判したために解雇されてしまった事件について、軽く英語記事を紹介してみようと思う。 www.nydailynews.com まず紹介したいのは、倫理学者のピーター・シンガーが8月10日に発表した「なぜGoogleは間違っているか:ジェームス・ダモアが社内文書のために解雇されたことは正当なのか?」という記事。 ダモアの文書についてのシンガーは以下のようにまとめている: ・まず、ダモアの文書は「一部の種類のジェンダー・ステレオタイプには、その根拠となる理由が実際に存在する」ということを論じている。具体的には、男性と女性とを比較すると女性の方には「他人に対して関心を抱きやすい」「分析を行った

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