自民党の改憲案がヤバいと随所で話題のようである。改憲案と対照表は自民党のHPにあるので、それを参照しつつ、ネットで見かけたいくつかの批判とその妥当性について考えてみたい。 まず、多くの人が誤解している点だが、憲法、特に人権の部分、については、憲法に書かれている一字一句というのはそこまで重要ではなく、むしろその文言の上に積み重ねている解釈や判例の方が圧倒的に重要である、ということはきちんと意識しておくべきである。要するに、憲法からある表現が消えたり、表現が変わったりしたからといって「この権利が保障されなくなってしまう」などということは全くない、ということである。 具体例を挙げよう。現行憲法には「第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」とある。一方、憲法のどこを見ても「プライバシーの権利」は出ていない。なので、憲法を字義通りに読むならば、プライバシーを侵害